研究課題/領域番号 |
22J00193
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
足立 晴彦 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(PD) (90965443)
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研究期間 (年度) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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キーワード | ミナミヌマエビ / 形態形成 |
研究実績の概要 |
本年度は、計画していた研究に必要な実験用ミナミヌマエビの飼育系の立ち上げからスタートした。年度の途中、所属部屋の改修工事に伴う引越し作業で飼育していたエビが全滅してしまうという予想外のアクシデントがあったものの、トラブルシューティングを行い、最大24の卵について孵化後の時系列を同時に追える系の確立、位相差法や蛍光試薬を用いた成体における24時間を超える長時間のライブイメージング系の確立を行った。ライブイメージングでは、エビ尾組織全体の細胞核に加えて、神経細胞、血球系細胞、血管といった組織を染め分けることにも成功し、今後その動態を解析していきたい。また、本研究の目的である脱皮による形態形成の解析において特に重要となりうる、脱皮間で大きく形を変化させる器官の選定が完了した。具体的には、孵化後一回目の脱皮で形を大きく変化させる尾である。今後、幼生期においても、成体と同様に長時間のライブイメージング系を確立していきたい。また、エビにおけるRNAiの系も確立し、形態形成にに異常が生じるRNAiスクリーニングも同時並行で行っている。その中で、本研究の目的とは異なるが、面白い現象が見つかってきたので、時間に余裕があれば、そちらにも少しエフォートを割ければと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所属研究室が存在する建物の改修工事による引っ越しおよび、それに伴った実験上のアクシデントに見舞われたものの、トラブルシューティングを行い、その後は順調に飼育系及び最大24の卵について孵化後の時系列を同時に追える系の確立、位相差法を用いて成体における24時間を超える長時間のライブイメージング系の確立を行うことに成功しています。また、染色試薬を用いることで、エビ尾組織全体の細胞核に加えて、神経細胞、血球系細胞、血管といった組織を染め分けることにも成功しています。加えて、当初の計画では予想していなかったが、ミナミヌマエビの尾は孵化後一回目の脱皮で形を大きく変化させることがわかりました。これは、脱皮による形態形成の解明という当初の目的に非常に合致する現象であり、今後の解析の焦点を絞ることができました。以上のことを踏まえて、おおむね順調に進展していると考えています。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画では成体や幼若個体を対象に脱皮による形態形成機構の解明をしようとしていたが、上述のようにミナミヌマエビの尾は孵化後一回目の脱皮で形を大きく変化させることがわかったため、今後は成体や幼若個体と並行して、孵化直後の幼生期尾におけるin vivoライブイメージング系の確立に注力していきたいと考えています。
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