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2023 年度 実施状況報告書

ホログラフィック顕微鏡技術で照らす,嗅皮質の匂い情報統合メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1544
配分区分基金
研究機関名古屋大学

研究代表者

谷隅 勇太  名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワード2光子顕微鏡 / オプトジェネティクス / ホログラフィック顕微鏡 / 感覚皮質 / 連合学習 / セル・アセンブリ
研究実績の概要

脳を構成する神経細胞は,然るべき瞬間に秩序立った信号を繰り返し奏でることで,動物の柔軟な知覚学習機能を成立させる.このメカニズム解明は生命現象の理解に必須であるが,ミリ秒レベルでの神経時系列変化と,学習に伴う動物の行動変化との因果関係を調べる実験系は未発達かつ精度が足りない.そこで本研究では,神経計測をしながら,個々の活動をミリ秒スケールで操作可能なホログラフィック顕微鏡技術を用いることで,局所回路の時空間活動パターンと動物の行動との因果関係を解明することを目標にした.本年度は主に以下2項目に取り組んだ.
1) 感覚皮質における感覚刺激-報酬情報の連合機構を調べるための行動タスクシステムの拡充.2光子顕微鏡下において,頭部固定マウスが自由歩行可能な器具を中心に,ヒゲへの感覚刺激・音刺激・視覚刺激・匂い刺激・痛み刺激を特定タイミングでかつ複合的に実施可能なハードウェアおよびソフトウェア開発を行った.これらの系は,感覚野の基本的な連合学習機能を調べることに加え,多感覚統合研究や疾患モデルマウスの行動機能検証等にも応用可能である.
2) マウス感覚野の神経回路活動を計測・解析および操作する基盤の拡充.効率的な神経活動操作を実現するために,様々なウイルス発現方式を検討し,活動操作実験系における現時点で最適な手法を確立した.さらに,高時間分解能イメージングデータ取得や行動・神経解析環境を拡充させた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度はニューロン活動操作条件の検討に注力していたため,操作結果としてマウスの行動を明確に変えるような具体的な成果を上げることはできなかった.しかし,高時間分解能イメージングデータ取得や行動・神経解析環境を拡充させることはできた.

今後の研究の推進方策

今年度は,高時間分解能イメージングデータ取得や行動・神経解析環境を拡充させてきたため,これらを駆使して感覚連合機能の時系列則を調べる行動操作研究について,更なる推進を目指す。
加えて,イメージング視野内の多数の細胞を自動抽出し,個々の細胞特性を網羅的に調べる系の開発も行ったため,感覚皮質の局所回路における集団活動則の解明に繋がる研究に引き続き取り組む.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ホログラフィック顕微鏡とリアルタイム動画解析による,「脳-身体フィードバック・ループ操作」プロジェクト2024

    • 著者名/発表者名
      谷隅勇太
    • 学会等名
      JST-CREST「マルチセンシング」領域会議
  • [学会発表] Fusion experimental system of mouse sensory learning and multi-photon holographic microscopy2023

    • 著者名/発表者名
      Yuta Tanisumi
    • 学会等名
      第46回日本神経科学学会

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公開日: 2024-12-25  

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