研究課題/領域番号 |
22J01727
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 耕太 名古屋大学, 情報学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-22 – 2025-03-31
|
キーワード | 運動学習 / ゴルフスイング / 機械学習 / 姿勢推定 / 物体検出 / 熟達差 / 個人差 |
研究実績の概要 |
本研究は、動きの個性が多様化する複雑な運動学習過程に潜む規則性を解明することを目的として行われている。この研究はゴルフのアイアンやドライバーショット課題を対象とし、大きく二つの局面によって構成される。 第一に、機械学習を用いたビデオカメラの動画ベースの簡易的なデータ取得に基づいて、動きの個性の多様化過程を解析し、「学習の地形図」の作成を行っている。既に第一の実験を終了し、得られたビデオデータをもとに、機械学習手法による姿勢推定および物体検出による位置座標取得が可能となっている。 加えて、得られたデータをもとにゴルフスイングの熟達差、個人差について解析を進め、学習過程における動きの多様化について一定の結果が得られている。 第二に、運動規範の個人差に着目し、個人間で動きが分化する要因を検討を行う。この局面では、実データに基づいた運動規範の推定を行った上で、これらのデータをもとに運動規範と身体情報に基づいた動きの学習予測シミュレーションモデルの作成を目的とした研究を行う。この局面については次の課題として残っている。 これまでの実績をまとめると、現在、第一局面において実験準備および本実験が終了し、データのまとめや解析が終了しており、研究会での発表を行った。また得られた成果を学会誌へ投稿するための準備をしている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍において人を対象とした実験の遂行に際し、感染予防のために慎重に進めていたことにより、実験データの取得が遅くなった。そのため、成果の発表や次の実験への局面の移行が遅れていることから、やや遅れているとの判断に至った。 現時点では、予備実験を完了し、ゴルフ経験者30名程度を対象とした実験を実施済みである。取得したデータをもとに解析を行なった。機械学習手法を用いた姿勢推定および物体検出によるビデオデータからの位置座標データ抽出のシステムを構築した。抽出したデータを解析するプログラムもすでに作成済みであり、得られた結果をまとめている。得られた成果は、国際誌論文への投稿のため現在執筆中である。 また加えて次の局面を移行するにあたり、準備をしている段階である。特に、動きの個性を多様化させる要因の特定について、運動規範の個人差に着目し、前の実験で得られたデータを用いた予備的な解析やモデル作成を試みている。
|
今後の研究の推進方策 |
第一に、現在得られた成果を国内外の学会で発表する。国内外の運動制御、および運動学習に関連する研究会や学会での発表に向けて成果を整理し、まとめていく。また機械学習を用いた運動学習研究を行っているため、コンピュータビジョンや機械学習、画像処理等の関連の学会への参加の準備を進める。 同時に国際誌への投稿を行う予定である。現時点で、すでに論文執筆に取り掛かっており、準備が出来次第投稿を予定している。 また、次の局面への移行のための予備実験および解析の準備、実施を行う予定である。これまでの研究活動により、第一局面の実験を踏襲し、修正点を生かした追加の実験を行う予定である。また、得られた成果の視覚化の方法について、関連論文を読み、データ解析を行う予定である。 加えて、動きの個性を多様化させる要因の特定について、運動規範の個人差に着目し、前の実験で得られたデータを用いた予備的な解析やモデル作成を試み、本実験を行い、成果をまとめて発表する。
|