研究実績の概要 |
初年度は柳田伸太郎氏との共同研究 において(C_1^\vee,C_1)型のMacdonald-Koornwinder多項式(Askey-Wilson多項式)のパラメータを特殊化してA_1型が回復する4通りの方法を見いだした。さらに、その4つの特殊化のうち(C_1^\vee,C_1)型のCherednik双スペクトル対応に適合するものが1つだけあることも示した。翌年度は、A型およびC型のアフィン・グラスマン多様体のトーラス同変Kホモロジー環におけるシューベルト類と、それを代表する特殊多項式についての研究を進めた。 A型については池田岳氏、Mark Shimozono氏との共同研究においてK理論的二重k-シューア函数という対称函数を導入することで、それらが生成する対称函数環とアフィン・グラスマン多様体のトーラス同変Kホモロジー環との間に同型を与えた。C型についても池田岳氏、岩尾慎介氏、Mark Shimozono氏との共同研究において、A型のアナロジーとしてK理論的(同変)双対シューアQ函数を導入して、それらが生成する対称函数環とC型のアフィン・グラスマン多様体のトーラス同変Kホモロジー環との間に同型を与えた。また一般のルート系について、アフィン・グラスマニアンのトーラス同変Kホモロジー環と旗多様体の量子K環との間に(両者適切な局所化のもと)同型が知られており、それらはK理論的ピーターソン同型と呼ばれている。さらにアフィン・グラスマニアンのトーラス同変Kホモロジー環からグラスマニアンの量子K環との間にも全射が与えられるが、池田岳氏、河野隆史氏、中山勇祐氏との共同研究によってC型の設定のもと、その全射の核を組合せ論的な記述によって明示的に与えた。
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