研究課題
本年度の研究は、原子層材料のヘテロ接合におけるモアレ超格子の歪み効果である。二層の原子層材料を重ねれば長周期的なモアレ超格子が現れ、ヘテロ接合の物性に新しい制御効果を与えるため、近年に大きな注目を集めている。研究代表者はモアレ超格子に間接的な歪みを印加し、超格子の意図的な変形を観測した。具体的に、まずは柔軟性があるプラスチック基板の表面にヘテロ接合を作製し、圧電力顕微鏡(PFM)を用いて直接にモアレ超格子を観測できる技術を確立した。基板の曲がりと共に歪みが導入されて超格子も変形する。基板を連続的に曲げて、超格子の連続変形も観測できた。結果として、モアレ超格子の周期性が歪みの効果で三角形から長方形になった。モアレ超格子の歪み変形を理解するために理論モデルも作った。実際の超格子の画像と照らして歪み状態を議論した。歪みの印加によって物性に与える効果を討論するため、モアレ超格子のエネルギーバンド構造の変化を計算した。結果として、異方性且つ電子相関を同時に保有する電子状態を示唆した。歪み印加した超格子の高い制御性はモアレ物性物理に新しい可能性を与え、より深い理解や未だ見えていない現象の発見が期待できる。以上の結果をまとめ、論文作成も行っている。本研究の目的は原子層半導体材料のヘテロ接合の発光素子作製と歪み効果を活用し、高い発光効率を有する偏光発光素子の実現である。研究期間に、研究代表者は原子層材料の発光素子作製とヘテロ接合におけるモアレ超格子のコントロールを巡って研究を実施した。成果として、本研究は高品質なヘテロ接合の発光素子を作製する手法を確立した。発光性能向上も観測できた。同時に、歪み印加したヘテロ接合のモアレ超格子の変形も観測した本研究の結果を基づいて、モアレ超格子の自在変形の実現及び発光素子の作製と高性能化が期待される。
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Advanced Optical Materials
巻: 11 ページ: 2301119
10.1002/adom.202301119