研究実績の概要 |
Staphylococcal nucleaseの構造形成機構は、リガンドであるアデノシン-3',5'-二リン酸、変性剤である尿素の濃度に依存して切り替わる。本研究の目的は、i)自発的フォールディングからリガンド結合によるフォールディングへと構造形成機構が切り替わる溶媒条件(アデノシ ン-3',5'-二リン酸、尿素濃度)をフォールディングの速度論の分光的測定に網羅的に探索することと、切り替わり周辺の溶媒条件下における反応に関わる分子種の安定性と構造に基づき、核磁気共鳴(NMR)法と変異体解析を用いることで、ii)各機構の構造形成に本質的な物理的駆動力を明らかにすることにある。 さまざまな尿素濃度、アデノシン-3',5'-二リン酸濃度においてォールディングの速度論の分光的測定を行い、Staphylococcal nucleaseのフォールディング機構の切り替わる溶媒条件を網羅的、俯瞰的に見出した。その際、野生型、及び同位体ラベルしたStaphylococcal nucleaseの発現精製を行った。また2023年度の前半、学振の若手研究者海外挑戦プログラムにより、米国Fox chase cancer centerにて、本研究課題の一部を行った。2023年度の後半は、名古屋大学大学院理学研究科若手研究者等の海外派遣プログラムの支援を受けて、同機関にて引き続き研究を行なった。尿素濃度、リガンド濃度に依存したNMRスペクトルの解析を行い、本内容を国際学術雑誌に現在投稿中である。
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