研究課題/領域番号 |
20J40285
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西江 仁徳 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2020-10-12 – 2024-03-31
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キーワード | チンパンジー / エスノグラフィ / フィールドワーク / 動物記 / 科学コミュニケーション |
研究実績の概要 |
世界的に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが続いている影響で、2021年度にはタンザニア現地でのフィールド調査は実施できなかった。日本で進めた研究活動として、動物のエスノグラフィの理論と実践を進めるべく、他の動物研究者と共同して京都大学学術出版会から単行本シリーズ「新・動物記」を刊行し(2021年6月~)、続巻を含めてシリーズ編集を務めている。同シリーズにてチンパンジーのエスノグラフィをまとめるべく現在原稿を執筆中である。また、日本文化人類学会、京都人類学研究会、生態人類学会で研究発表を行い、動物のエスノグラフィの理論的位置づけを構築すべく人類学者と議論を深めることができた。チンパンジーの「文化」の問題からチンパンジーの「わざ」について論じた論文を『わざの人類学』(床呂郁哉編、京都大学学術出版会)に寄稿し出版された。チンパンジーの対面相互行為から出会いとあいさつについてまとめた論文が『出会いと別れ:「あいさつ」をめぐる相互行為論』(木村大治、花村俊吉編、ナカニシヤ出版)に収録・出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度にはタンザニアでの現地調査が実施できなかったが、動物のエスノグラフィの実践として、新・動物記シリーズ(京都大学学術出版会)の刊行を2021年6月から開始し、2022年度末までで第8巻まで出版できた。動物のエスノグラフィ実践の背景となる理論的な位置づけについても、生態人類学会、動物行動学会、人類学者との共同研究会などで研究発表を実施し、議論を深めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
動物のエスノグラフィの実践として、新・動物記シリーズの編集を進め、2023年度にも4巻の刊行を予定している。主たる調査地であるタンザニア・マハレ周辺住民からの聞き取りデータの分析や、長期調査地の過去の資料の整理・分析を進め、多角的な視点から「チンパンジーのエスノグラフィ」を執筆する。
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