• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

地震時挙動を考慮した鉄筋コンクリート造建物の構造性能評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1664
配分区分基金
研究機関京都大学

研究代表者

山田 諒  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード鉄筋コンクリート / 耐震壁 / 水平二方向加力 / 変動軸力 / 実験データベース / 脚部すべり破壊
研究実績の概要

地震時,鉄筋コンクリート造耐震壁部材には面外方向変形が発生し,さらに梁のせん断力および転倒モーメントによる変動軸力が同時に入力される。また,耐震壁部材の破壊モードとしては曲げ破壊,せん断破壊,脚部すべり破壊が見られるが,これらの各破壊時の耐力について正確に評価することが設計においては重要となる。三方向載荷条件が各耐力に及ぼす影響について,単一試験体に対して検討を行った例は数多く存在するが,これらの検討結果を用いて,設計において三方向載荷条件を考慮する必要性について議論した例は存在しない。
このような研究の現状を受け,本年度は三方向載荷条件が面内方向せん断終局耐力に及ぼす影響について,実験データベースを用いて検討を行った。前年度提案した耐力評価手法による耐力算定値の,面内一方向加力時の耐力算定値に対する比を耐力残存率として算出することで,以下の2点について検討を行った。1点目としては,実験時の最大耐力のせん断終局耐力計算値に対する比を余裕度と定義し,耐力残存率との積をとることによって,面外方向加力時の余裕度を算出した。設計において頻繁に用いられる広沢mean 式による余裕度の平均値は,面外方向変形がない場合と比べ,面外方向変形角1.50%時では9%低下した。2点目としては,試験体の各パラメータと耐力残存率の関係を検討し,面外方向変形によって耐力低下が発生しやすい試験体諸元について検討した。壁横筋比および主筋比が小さい場合,内法高さを端部拘束領域幅で除した値が大きい場合に耐力残存率の低下傾向が大きくなると推察された。
以上の検討に加え,前年度載荷実験を実施した,脚部すべり挙動が支配的となった試験体に対して,耐力評価法を検討した。評価には,井戸硲らの手法を用いた。検討の結果,変動軸力を伴う繰り返し載荷においては,摩擦係数が低下し,脚部すべり破壊が発生しやすいことが推察された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] EFFECT OF TRI-DIRECTIONAL LOADING CONDITION ON SHEAR CAPACITY OF REINFORCED CONCRETE WALLS2024

    • 著者名/発表者名
      YAMADA Ryo、TANI Masanori、NISHIYAMA Minehiro
    • 雑誌名

      Journal of Structural and Construction Engineering (Transactions of AIJ)

      巻: 89 ページ: 86~97

    • DOI

      10.3130/aijs.89.86

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 鉄筋コンクリート造耐震壁の脚部すべり挙動に三方向加力条件が及ぼす影響(その1)~(その3)2023

    • 著者名/発表者名
      山田諒,山田英輝,村瀬仁,谷昌典,西山峰広
    • 学会等名
      日本建築学会大会(近畿)学術講演会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi