研究実績の概要 |
生体においてインスリンを分泌する唯一の細胞である膵β細胞の減少は, 糖尿病の発症・進行において中心的役割を果たす. しかしながら, これまでの膵β細胞量の主な評価方法は, 摘出膵標本を用いた横断的評価に限られ, 生体での経時的な評価は困難であった. そのため, 生体での膵 β 細胞量の実際の経時的変化は依然不明であり , 膵 β 細胞量変化と膵 β 細胞機能や耐糖能の関係も未解明の点が多く残る. 本研究では, 膵β細胞に高発現するGLP-1受容体を標的とする放射性同位元素標識プローブを使用した非侵襲的膵β細胞イメージングを用いて, 2型糖尿病の糖尿病発症・進行過程における膵β細胞量の変化, およびその病態との関連を明らかにすることを目的とする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非侵襲的膵β細胞イメージング実施にあたっての事前検討として, 実験に用いる2型糖尿病モデルマウスの糖尿病発症・進行過程における病態変化の検討を行っている. 具体的な検討内容としては, 比較的緩やかに糖尿病を発症するモデルマウスを, 脂肪食負荷群とコントロール食群の2群に分け, 4週齢から16週齢まで, 体重および随時血糖値の評価や, 経口ブドウ糖負荷試験 (OGTT)での耐糖能評価を実施し, 糖尿病発症・進行を反映すると考えられる各指標の評価を実施する計画であり, 順調に進めている. 2022年度も引き続き, これらの評価を継続して行う.
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