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2022 年度 実績報告書

畏敬が自己認知に及ぼす影響ー心理・神経・生物学的基盤の検討ー

研究課題

研究課題/領域番号 21J23196
配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

澤田 和輝  京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2024-03-31
キーワード畏敬 / 自己認知 / 創造性 / 好奇心 / 縦断調査
研究実績の概要

大自然の絶景や芸術作品のように,広大かつ既存の枠組みで捉えることが困難な刺激に対して生じる感情反応は「畏敬」と呼ばれており,近年心理学を中心に注目を集める重要な研究テーマの一つである.本年度は,畏敬が創造的自己認知に及ぼす影響を解明するために,オンラインにて縦断調査を実施した.調査では,2時点を通して4ヶ月間隔で257名の20代の人々が,日常生活で畏敬を感じる頻度(項目例:“私はよく畏敬の念を感じる”,“私は自然の美しさを見る機会が多い”),知的好奇心(項目例:“はっきり明快な答えが出るまでずっと考える”,“物事を学ぶ時には,徹底的に調べたい”),創造的自己(項目例:“私は,自分のことを創造的だと思う”,“私は自分の創造的な能力に自信がある”)を測定する質問項目に回答した.各変数の2時点での個人の変化量に着目して分析を行ったところ,畏敬の念を感じる頻度,知的好奇心,創造的自己の変化量に個人差があることが示された.また各変数の個人内変化量の関連を検討したところ,4ヶ月間で畏敬の念を感じる頻度が増加した個人ほど知的好奇心が増加し,転じて自己を創造的に感じる程度が増加した.本研究の結果は,創造性の観点から畏敬経験における自己認知の変容の理解に寄与するとともに,個人内変化の観点から畏敬の念が知的好奇心の向上を介して創造性を促進することを新たに示す.本研究の縦断調査は現在も継続して実施中であり,合計4時点まで測定予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の通り,創造性の観点から畏敬経験における自己認知の変容について知見を深めることができた.順調に縦断データを継続して測定することができている.

今後の研究の推進方策

昨年度から継続して縦断データを測定し,日常生活における畏敬経験が好奇心や創造的自己認知に及ぼす影響について検討する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 規範の厳格さが拡散的思考に及ぼす影響-アイディア生成と抑制の観点から-2022

    • 著者名/発表者名
      澤田和輝・今津慎太郎・野村理朗
    • 学会等名
      日本認知科学会第39回大会
  • [学会発表] 畏敬の念が状況的関心に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      澤田和輝・野村理朗
    • 学会等名
      日本認知心理学会第20回大会

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公開日: 2023-12-25  

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