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2023 年度 実績報告書

環境曝露試験と簡易数値解析に基づく自然由来汚染土壌の長期評価システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1736
配分区分基金
研究機関京都大学

研究代表者

唐 佳潔  京都大学, 地球環境学舎, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード自然由来汚染土壌 / ヒ素溶出
研究実績の概要

本研究は土木工学における環境地盤工学上の課題を研究し、建設工事や、自然災害によって発生する、自然由来の重金属等を含む低濃度汚染土の有効利用(盛土)に向けた取り組みを進めてきた。低濃度汚染土の有効利用する時、盛土が実現場での環境曝露条件を考慮した長期に渡る溶出特性評価が求められている。
研究方法として、本研究では自然由来のヒ素を含む3種類の土を使用し、評価試験や、数値解析など、様々な研究を実施した。具体的には、東日本大震災で発生した津波堆積物、トンネル掘削工事で発生した泥岩、および貫入岩に由来する土について、加水と乾燥を繰り返して供試体を作製し、溶出試験を実施することで、土の風化が重金属等の溶出特性に及ぼす影響を評価した。溶出試験後には、土粒子の表面をSEM-EDSによって観察して元素分布を評価することで、ヒ素等の溶出メカニズムを考察した。また、簡易なバッチ振とう試験から溶出特性に関するパラメータを取得し、表計算ソフトを用いた数値解析手法の開発にも取り組んだ。そして、長期間に渡る通水式のカラム試験も実施し、解析のフィッティング結果を確認した。
3種類の低濃度汚染土に乾湿繰り返しの影響を与えることで、ヒ素の溶出濃度が大きくなる結果が得られた。溶出試験や、SEM-EDS分析によって溶出メカニズムを考察したところ、津波堆積物や泥岩に含まれるヒ素は黄鉄鉱の酸化に、貫入岩中のヒ素は熱水変質などの地質的変化に関連することが明らかになった。また、長期の溶出特性の予測を目指した研究では、土粒子(固相)から液相に移動しうる化学物質の量に着目し、バッチ溶出試験からパラメータを取得して移流分散解析を行うことで、NaやAsなどの元素についてのカラム試験での溶出挙動を予測できる可能性を示した。
これらの結果をジャーナル(査読あり)3編、学会発表4件(国際1件)を発表した。

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公開日: 2024-12-25  

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