研究課題/領域番号 |
22J00662
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
特別研究員 |
金森 万里子 京都大学, 人と社会の未来研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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キーワード | 人と動物の共生 / ウェルビーイング / メンタルヘルス / スウェーデン / 日本 / 高齢者 / 犬 / 狩猟 |
研究実績の概要 |
2022年度実施分、および2023年度繰越分について記述する。 1.どんな地域環境において、犬の飼育が高齢者のウェルビーイングの向上に役立つか?人と動物のウェルビーイングをともに高めうる環境要因の探索:犬の飼育が高齢者の健康やウェルビーイングに良い影響をもたらすことを示す研究は数多くあるが、犬の飼育の健康効果は、地域環境によって変わりうる。本プロジェクトでは、人と犬のウェルビーイングのシェアリング関係をサポートする環境とはどのようなものか、明らかにすることに挑む。今年度は、都市デザイン分野の研究者と協働することにより、地域環境の緑地の多さに関するデータを入手した。さらに、それら環境データと高齢者の様々な健康・社会経済的な情報を含む大規模データとのリンケージが終了した。さらに、犬の飼い主・非飼い主を経時的に追跡した情報(3年後の健康情報)を得られた。 2.野生動物とのつながりは、規範や集団活動にどのような影響を与えるか?:人にとって動物は、その置かれた社会生態的な文脈により、家族・労働力・資源・害獣など様々に認知されうるが、このような多義的な関係性は人間同士の関係性とも共通している。そこで申請者は、人と動物とのつながりを、人と人の間のつながり・紐帯から生まれる資源であるソーシャル・キャピタルを参考にして評価し、コミュニティに与えうる影響について探索的に検討することを計画している。今年度は、京都大学野生動物研究センターの研究者と協議を重ねた。 3.人間社会において多様性を尊重するために重要な環境とは?:多様性の尊重は共生社会の基礎であり、今年度は特にジェンダー規範に焦点を当てた研究を行った。コミュニティにおけるジェンダー規範の認知がどのように精神的健康に影響するか、日本の高齢者数万人規模のデータを用いて分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は京都大学を拠点として、研究計画の立案・進行、チームメンバーとのディスカッション等を活発に行い、様々な分野の研究者とのコラボレーションの可能性を積極的に探ってきた。その中で実現したコラボレーションのおかげで(特に上記1に関するもの)、分析に必要なデータを入手することができた。 さらに、人と動物の共生の前段階ともいえる、人間社会における共生、特に多様性の尊重についても、研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
分析に必要なデータ準備が完了したので、今後はデータの分析を中心的に実施し、得られた結果をもとに学会発表・論文化を行っていく予定である。
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備考 |
2024年1-3月に共同通信社を通じて下記21紙で研究の内容が紹介された。『地域の固定的な性役割観 高齢者の心の健康に悪影響』福島民友、下野新聞、日本海新聞、中国新聞、徳島新聞、秋田魁新報、沖縄タイムス、佐賀新聞、山陰中央新報、高知新聞、福島民報、東京新聞夕刊、千葉日報、京都新聞朝刊、愛媛新聞、南日本新聞、琉球新報、岩手日報、岐阜新聞、長崎新聞、新潟日報
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