研究実績の概要 |
異質な家計から構成される世代重複一般均衡モデルを構築し、家計の異質性によって家計の、婚姻世帯の場合には夫と妻それぞれの、労働供給がどのように変わりうるかを分析し、そのメカニズムを理論的に明らかにした。ここで家計は年齢、保有資産、教育水準、労働生産性、婚姻状態、子供の数などの点で異質であると仮定し、消費、労働供給、子供の数、保育サービス需要、子供への教育支出について意思決定を行うとした。構築したモデルをアメリカ経済にカリブレートした結果、モデルから予測される性別や婚姻状況、子供の有無ごとの労働供給のパターンや女性の教育水準ごとの出生率のパターンは実際のデータと概ね整合的であることが確認できた。さらに、構築したモデルを用いて現金給付や保育補助などの政策効果の検証を行った。ここまでの結果を"The Impacts of Family Policies on Labor Supply, Fertility, and Social Welfare"としてまとめ、来年度には学会で発表を行う予定である。
|