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2022 年度 実績報告書

触媒的Mannich反応を基盤としたβ-アミノ-α-ケト酸の新規不斉合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22J11542
配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

徳弘 佑介  京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2024-03-31
キーワード有機触媒 / 不斉反応 / Mannich反応 / α-ケト酸 / ペプチド / 重水素
研究実績の概要

非天然型アミノ酸であるβ-アミノ-α-ケト酸は特徴的な生物活性や合成化学的有用性を示す。しかし、その実用的な合成法は入手容易なアミノ酸の増炭を経るキラルプール法に限られる。本年度筆者は、α-ケトカルボニル基と等価なグリオキシル酸シアノヒドリンのMannich反応を利用したβ-アミノ-α-ケト酸等価体の不斉合成法の開発と、触媒の重水素化による不斉制御に取り組んだ。いくつかの触媒を検討した結果、嵩高いアミン部位を持つチオ尿素触媒がグリオキシル酸シアノヒドリンのイミンに対する立体選択的な付加を促進することを見出した。その中でいくつかのイミンはエナミンへの異性化が問題となったが、イミンの前駆体であるα-アミドスルホンを塩基性水溶液共存下直接利用することで適用可能となり、大幅な基質適用範囲の拡大を実現した。本反応で得た付加体は銀塩による脱シアノ化を経る簡便な脱保護により非タンパク質構成アミノ酸を含む多様なβ-アミノ-α-ケト酸へと変換可能であった。またペプチド-α-ケト酸やペプチド-α-ケトアミドの合成にも応用でき、従来困難なペプチド同士のカップリングや特殊ペプチドの効率合成を可能とした。さらにDFT計算による反応遷移状態の解析を行い、チオ尿素触媒によるエナンチオ選択性とジアステレオ選択性の一挙制御に必要ないくつかの要因を明らかとした。一方、ルイス塩基部位をもついくつかの基質では立体選択性の低下が見られた。そこで上述の遷移状態解析から触媒との望まない水素結合が原因と考察し、触媒の重水素化による水素結合能の精密制御に取り組んだ。酸性プロトンを重水素置換した触媒を種々合成・評価したが、いずれも軽水素体の触媒と同等の活性を示すのみであった。重水素置換による不斉制御の実現には至らなかったものの、重水素の導入が有機触媒の機能に影響を及ぼすことなく長寿命化を可能とし得ることが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Highly Stereoselective, Organocatalytic Mannich-type Addition of Glyoxylate Cyanohydrin: A Versatile Building Block for the Asymmetric Synthesis of β-Amino-α-ketoacids2022

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Tokuhiro, Kosuke Yoshikawa, Sei Murayama, Takeshi Nanjo, Yoshiji Takemoto
    • 雑誌名

      ACS Catalysis

      巻: 12 ページ: 5292-5304

    • DOI

      10.1021/acscatal.2c00950

    • 査読あり
  • [学会発表] N-クロロアミドを経由するペプチドの新規 O-S 交換反応の開発2023

    • 著者名/発表者名
      徳弘佑介、喜田魁斗、大下拓真、南條毅、竹本佳司
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
  • [学会発表] 触媒的不斉Mannich型反応を基盤とした非天然型ペプチド化合物の合成2022

    • 著者名/発表者名
      南條毅、徳弘佑介、吉川広祐、加藤夏己、竹本佳司
    • 学会等名
      第39回メディシナルケミストリーシンポジウム
  • [学会発表] 触媒的Mannich型付加反応を基盤とするβ-アミノ-α-ケト酸の不斉合成と応用2022

    • 著者名/発表者名
      徳弘佑介、吉川広祐、村山聖、南條毅、竹本佳司
    • 学会等名
      第48回反応と合成の進歩シンポジウム

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公開日: 2023-12-25  

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