研究課題/領域番号 |
22J14304
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安齋 麻美 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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キーワード | 新型コロナウイルス感染症 / COVID-19 / 感染症疫学 / 水際対策 / 検疫 / 数理モデル / 人の移動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、新型コロナウイルス感染症について、ヒトの移動と感染症の侵入の関係について検討し、今回の流行対策として実施された水際対策の効果を明らかにすることである。2020年度は日本国内のヒトの移動と感染拡大の関連を中心に検討を行い、以下の成果を得た。 (1)日本におけるCOVID-19の空間的拡大 日本で実施された旅行関連施策がCOVID-19の空間的拡大与えた影響について検討を行った。旅行関連施策開始前後の都道府県ごとの人口当たり新規陽性者数が一定の基準を超える都道府県数の変化に注目した。実施前後で都道府県数の増加傾向に変化がみられたことから、ヒトの移動と新型コロナウイルス感染症の空間的拡大の関連が示唆された。 (2)COVID-19の輸入リスクに関する疫学的インパクトの推定 都道府県間のヒトの移動データと県境をまたぐ移動歴を有する感染者数を用いて輸入感染者数を推定する統計モデルを構築し、ヒト移動の影響について定量的評価を実施した。日本の第1波から第2波に相当する期間に公表された県をまたぐ移動歴を有する感染者に関するデータおよび都道府県間のヒトの移動量を用いて、各都道府県の輸入感染者数を推定した。また、輸入感染者数の推定値を用いて、都道府県間の移動と移動元の感染者数が輸入感染者数に与える影響の程度を検討した。感染者数および移動量が輸入感染者数の動向に与える影響を定量化することにより、流行の拡大時には輸出が起こりやすいことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は水際対策の効果推定に関連して、日本国内のヒト移動と感染症の拡大についての検討を主として実施した。水際対策評価のベースとして国内の移動に関して重点的に取り組み成果を上げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は新型コロナウイルス感染症の変異株に着目した日本における水際対策の効果推定を実施する。入国時の検査、国内での変異株の流行状況を考慮し、水際対策が実施されなかった場合の反事実を想定して水際対策の効果の定量的評価に取り組む。
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