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2023 年度 実施状況報告書

多波長観測と輻射輸送計算で挑む巨大ブラックホールの構造および質量放出機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1990
配分区分基金
研究機関京都大学

研究代表者

植松 亮祐  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワード超巨大ブラックホール / サブミリ波銀河
研究実績の概要

銀河とその中心に存在する超巨大ブラックホール (SMBH) の共進化は天文学における重要なテーマである。本研究では共進化機構を解明する鍵として、サブミリ 波銀河中の活動銀河核 (AGN) に着目した。サブミリ波銀河とは、サブミリ波帯で明るい銀河の総称であり、遠方で星形成が激しいという特徴を持つ。また、AGNとは、SMBHへの激しい質量降着により、銀河中心が明るく輝く現象である。近年の理論研究によると、銀河合体などにより母銀河の星形成が誘起され、その後AGNが発現する可能性が指摘されている。この過程において、サブミリ波銀河中のAGNは、AGNが発現する段階に相当する。従って、サブミリ波銀河中のAGNを詳細に分析することで、AGNの発現機構や、 共進化機構の解明につながると期待される。

本期間は、COSMOS領域で観測された260のサブミリ波銀河 (AS2COSMOS) について、銀河とAGNの性質を調査した。まず、当該領域のX線観測データを再解析し、X線で明るいAGNを23天体同定した。次に、多波長スペクトルエネルギー分布 (SED) 解析により、24天体のAGNを同定した (SEDAGN; 内、7天体はXAGN)。本研究では、これらのAGNについて、多波長SED解析から求められた母銀河の性質の違いや、X線光度とAGN全光度の比較などを行なった。研究内容は論文にまとめ、現在投稿準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、英国のグループと共同研究を発足し、それを推進した。今年度中の投稿には至らなかったものの、投稿準備はほぼ終わっている。そのため、研究は順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

本年度研究対象とした、AS2COSMOSサンプルは、サブミリ波で特に明るい (S870μm > 1 mJy) サンプルである。従って、本研究の結果がより普遍的なサブミリ波銀河に適用できるかどうかを調べるには、サブミリ波で暗いサンプルについても解析を行う必要がある。そこで次年度は、GOODS領域に着目する。当該領域はCOSMOSと比べて狭いものの、極めて深いサーベイが行われている。この領域で同様の研究を行うことにより、サブミリ波銀河中のAGNの性質を、網羅的に捉えることを目指す。

次年度使用額が生じた理由

本年度中の論文受理がなされなかったためである。次年度使用額については、論文投稿費に充当する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件)

  • [国際共同研究] Durham University(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      Durham University
  • [雑誌論文] Multiwavelength Spectral Energy Distribution Analysis of X-Ray?Selected Active Galactic Nuclei at z = 0.2?0.8 in the Stripe 82 Region2024

    • 著者名/発表者名
      Setoguchi Kenta、Ueda Yoshihiro、Toba Yoshiki、Li Junyao、Silverman John、Uematsu Ryosuke
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 961 ページ: 246~246

    • DOI

      10.3847/1538-4357/ad1186

  • [雑誌論文] Hard X-Ray to Radio Multiwavelength SED Analysis of Local U/LIRGs in the GOALS Sample with a Self-consistent AGN Model including a Polar-dust Component2023

    • 著者名/発表者名
      Yamada Satoshi、Ueda Yoshihiro、Herrera-Endoqui Mart?n、Toba Yoshiki、Miyaji Takamitsu、Ogawa Shoji、Uematsu Ryosuke、Tanimoto Atsushi、Imanishi Masatoshi、Ricci Claudio
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal Supplement Series

      巻: 265 ページ: 37~37

    • DOI

      10.3847/1538-4365/acb349

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公開日: 2024-12-25  

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