研究課題/領域番号 |
22J23442
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
特別研究員 |
相澤 亨祐 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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キーワード | 児童虐待 / フレーミング / 構築主義 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、社会問題化の過程を「社会の成員たちによって共有されたその問題に対する理解の仕方(=「フレーミング」)を形成する過程である」と捉えたうえで、児童虐待の社会問題化過程を分析することでその社会で共有された児童虐待の理解枠組みを析出し、そのようなマクロなレベルの理解枠組みが、社会の成員によるミクロなレベルの「実践」とどのように連関しているのかを日本、フランス、韓国の 3 か国比較から明らかにすることにある。 今年度は、日本と韓国の公文書や政府議事録・新聞記事のうち児童虐待に関連したものを収集・分析した。その結果、両国の児童虐待の社会問題化過程の特徴および共通点が析出された。たとえば、児童虐待増加の要因が何であるかについての言説は両国で大きく異なっていた一方で、児童虐待の発生を予防し、再発を防止するための具体的方策についての言説には共通点が見られた。そうした分析成果の一部を、2022年11月の日本社会学会大会で報告した。 また、児童虐待への対応「実践」に関するデータを収集するため、日本国内の児童養護施設における学習ボランティアとしての参与観察を継続的に行ったほか、児童相談所等でのインタビュー調査を行った。初年度に予定していた韓国での調査は協力を依頼していた機関の都合で実施できなかったが、代わりに韓国の児童福祉関連施設の関係者へのインタビュー調査をオンラインで行った。これらの調査の結果は現在整理中であり、また次年度も継続を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していた韓国での実地調査は、研究計画時に協力を依頼していた機関の都合で実施できなかった。一方で、その代わりに韓国の児童福祉関連施設の関係者へのインタビュー調査をオンラインで行うことができた。また、日本国内でのインタビュー調査や参与観察は予定通り実施できており、児童虐待の社会問題化過程を分析するための資料の収集・分析も進められている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に行ってきた日本と韓国の資料収集・分析やインタビューなどの調査を継続して行うとともに、次年度はフランスでの児童虐待の社会問題化過程の分析と児童虐待対応「実践」の分析を行う。そのために、フランスの政府議事録や新聞記事をインターネットを通じて収集し分析するほか、フランス国内での調査も行う予定である。
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