研究課題/領域番号 |
21J15177
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
特別研究員 |
川北 瞳 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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キーワード | 入院関連機能障害 / 認知症 / 適時診断 / 医療資源 / 認知症初期集中支援 / 地域連携 / 多職種連携 |
研究実績の概要 |
「緊急入院した認知症高齢者の生活自立度を悪化させる要因の探索に関する研究」について、地域在住の認知症高齢者がどのようなプロセスに基づいて安定した状態から入院となり、さらに入院期間中に日常生活自立度を低下させるのかという個別の背景に着目した個別研究を行なった。 具体的には、入院の原因となる疾患が発症・増悪する前の安定した時期(およそ入院1ヶ月前)時点での心身機能・生活機能、社会活動などの生活状況について、A県にて認知症初期集中支援チームの活動と並行して介入記録などによる文献調査を実施した。 また、副次的な研究として「認知症の適時診断・ケアサービスの利用促進要因を明らかにする研究」についても着手した。第一に、Andersenのヘルスケアサービス利用行動モデルにもとづき本研究の仮説モデルを作成した。これにより、認知症の適時診断・ケアサービスの利用に寄与する可能性の高い地域の医療福祉的要因を、理論的に妥当な範囲に絞り込んだ。さらに、A県の医療福祉従事者を対象にオンライン質問紙調査を実施するべく、オンライン回答フォームを作成した。これを用いてA県X市にてパイロット調査(n=28)を実施し、回収率82%を得て終了した。 特記事項としては、下記が挙げられた。新型コロナウイルスの影響により、高齢者への直接介入について一部制限が生じた。2022年4月1日から2022年9月30日までは出産・育児のために研究活動を一時中断し、その後再開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスにより一部研究活動の制限が生じたが、随時研究内容を見直し可能な範囲で対応を行なった。また、副次的な研究にも着手することができ概ね順調に進行した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は引き続き地域在住の認知症高齢者を対象とし、入院関連機能障害の発症について記述的な記録を中心に調査を進める。最終的には心身機能、生活機能、社会機能の中から入院関連機能障害の発症と相関が強い要因を探索し、記述的手法を用いて同定する。 その他、次年度は副次的な研究にも取り組む予定である。地域在住の認知症高齢者を対象とした認知症の適時診断・ケアサービスを調査対象とし、このサービスの利用頻度に影響しうる地域の人的、物理的、社会的な医療福祉的資源を統計学的手法を用いて同定する。得られた結果はとりまとめ、論文化し国際誌で発表することを目指す。
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