四足動物としてネコの歩容生成メカニズムを構成論的に理解することを目指している.本研究は前年度に引き続き脊髄機能に着目し,歩容遷移ならびに歩容適応の観点から研究を進めている.特に,本年度は脊髄ネコ実験を参考に,後二脚による歩容遷移・適応に着目した. 歩容遷移として,脊髄ネコのベルト速度上昇に伴う歩行から走行への遷移に着目し,後二脚モデルを用いてシミュレーションによる再現実験を行った.また,得られた結果を基に,脚負荷,身体運動ならびに生成歩容の関係について論じた. 歩容適応として,脊髄ネコのsplit-belt実験に着目し,どのような脚間協調機構が有効となるか,シミュレーションおよび四脚ロボット実験を通して検証した.結果,片方のベルト速度が上昇しても脚負荷交代を行い続けるような脚間協調が必要となり,そのためには明示的に協調機構を導入することが有効であると結論づけた.
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