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2022 年度 実績報告書

銀河アウトフローから解明する低質量銀河形成

研究課題

研究課題/領域番号 21J20930
配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

奥 裕理  大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2024-03-31
キーワード銀河形成 / 数値流体シミュレーション / 超新星爆発 / 星形成 / 銀河アウトフロー
研究実績の概要

本年度は、大規模計算に向けて、宇宙論的流体シミュレーションコードGADGET4-Osakaの開発に取り組んだ。主な内容は以下3点である。
第一に、GADGET4-Osakaで採用されているSPH法流体ソルバの改善と検証を行った。先行研究で提案された人工粘性と人工熱伝導を実装し、点源爆発テストやケプラー円盤テストなどで精度を検証した。関数形やパラメータを網羅的に調査し、両方のテストでよい結果を出すような、必要な領域のみで人工粘性を発生させるスキームを開発した。
第二に、コードの最適化を行った。SIMD並列を有効に使えるようにコードを変更し、流体計算を高速化した。また、通信の最適化を行い、無駄な通信と待ち時間を削減した。さらに、計算ドメインの分割方法を調整することでメモリバランスを改善し、ドメイン分割に掛かる時間も短縮した。これらの最適化によって2倍程度の高速化を達成した。
第三に、昨年度まで開発してきた超新星フィードバックモデルを実装し、テスト計算を行ってモデルの検証と変更を行った。テスト計算としてはボックスサイズ 50 Mpc の宇宙論的シミュレーションを実行し、銀河の質量関数などを観測と比較した。その結果、観測を再現するためには高赤方偏移で強いフィードバックが必要であることが分かった。本年度の研究では、高密度な高赤方偏移銀河でフィードバックが強く働く状況を考慮したモデルを実装し、それにより観測をより良く再現することを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度には大規模計算を実行する予定であり、昨年度中にその準備がほぼ整ったため。

今後の研究の推進方策

本研究課題の最終年度となる令和5年度には、これまで開発してきた超新星フィードバックモデルを使った大規模計算を実行し、その解析を行う予定である。解析にあたっては2024年度観測開始予定のすばる望遠鏡PFSでの観測を念頭に置き、その観測予言を中心に進める予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Osaka Feedback Model. II. Modeling Supernova Feedback Based on High-resolution Simulations2022

    • 著者名/発表者名
      Oku Yuri、Tomida Kengo、Nagamine Kentaro、Shimizu Ikkoh、Cen Renyue
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal Supplement Series

      巻: 262 ページ: 9~9

    • DOI

      10.3847/1538-4365/ac77ff

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Cosmological hydrodynamical simulation for the galaxy-IGM study in the PFS era2023

    • 著者名/発表者名
      Oku, Y., Nagamine, K.
    • 学会等名
      9th Galaxy Evolution Workshop
  • [学会発表] PFS 時代の galaxy-IGM study に向けた宇宙論的流体シミュレーション2023

    • 著者名/発表者名
      Oku, Y., Nagamine, K.
    • 学会等名
      令和4年度 国立天文台 CfCAユーザーズミーティング
  • [学会発表] PFS 時代の galaxy-IGM study に向けた宇宙論的流体シミュレーション2023

    • 著者名/発表者名
      Oku, Y., Nagamine, K.
    • 学会等名
      日本天文学会 2023年春季年会
  • [学会発表] PFS 時代の galaxy-IGM study に向けた宇宙論的流体シミュレーション2022

    • 著者名/発表者名
      Oku, Y., Nagamine, K.
    • 学会等名
      Rironkon Symposium 2022
  • [学会発表] Osaka Feedback Model II: Modeling Supernovae Based On High-Resolution Simulations2022

    • 著者名/発表者名
      Oku, Y., Tomida,K., Nagamine, K., Shimizu, I., Cen, R.
    • 学会等名
      IAU Symposium 373 “Resolving the Rise and Fall of Star Formation in Galaxies”
    • 国際学会
  • [学会発表] Osaka Feedback Model II: Modelling supernovae based on high-resolution simulations2022

    • 著者名/発表者名
      Oku, Y., Tomida,K., Nagamine, K., Shimizu, I., Cen, R.
    • 学会等名
      2022 Santa Cruz Galaxy Workshop
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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