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2022 年度 実績報告書

緑辺地域の小学校におけるキャリア発達:文化心理学の視座から

研究課題

研究課題/領域番号 22J00165
配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

土元 哲平  大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 特別研究員(PD) (10897622)

研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2025-03-31
キーワード縁辺地域 / 離島教育 / キャリア発達 / 文化心理学 / TAEステップ / 環世界 / 風土 / 島立ち
研究実績の概要

本研究では、縁辺地域(特に離島)における子どものキャリア発達モデルを、文化心理学の視点から構築することを目的としている。2022年度には、現地の先生方の協力を得て、鹿児島県硫黄島にある義務教育学校でのフィールド調査を行った。研究開始当初は1学級のみの調査を予定していたが、調査を進めていくにつれ、1学級のみよりも、複数の学級を観察する方が、教員側の負担が少なく、研究対象とする子どもたちを相対的に理解できることがわかり、観察方法を途中で変更した。フィールドワークを通して、この島の子どもたちにとっては高校進学時などに、都市部で生活するために住んでいる島を離れる「島立ち」がキャリア発達にとって重要な出来事となっていることが明らかになった。そこで、「島立ち」に伴う五感や感情について、文化心理学の理論やTAEステップを応用したワークショップによる調査を行った。以上の調査および関連する研究を通して、子どもたちが、自ら生活する地域にある象徴的資源(例えば、椿の実、ジャンベ、商店など)を用いてどのように自らの環世界ないし風土(milieu)と関わっているのかという観点から調査・考察を深めることで、縁辺地域におけるキャリア発達の特徴を浮かび上がらせることができることが示唆された。2023年度以降の調査では、上記の観点からの理論研究を進めつつ、フィールド調査では学校に限られない学びの場(地域教室など)をも対象に含め、研究を進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

インタビュー調査については時間の制約があり実施できなかったが、フィールド調査・ワークショップによる調査は実施できたため。

今後の研究の推進方策

当初の計画では、児童との一対一のインタビュー調査を実施予定であったが、本年度は時間的な制約があり実施できなかった。フィールドワークを通して、子どもと研究者の間には非対称性が存在することから、グループでインタビューを行ったり、ビジュアルを用いるなどの対話を促すための方法論上の工夫が必要と考えた。今後は、インタビュー・データを質的に深めるための方法論の検討にも取り組みたい。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Moving up the stream beyond resistance to counter move2022

    • 著者名/発表者名
      Campill Marc Antoine、Tsuchimoto Teppei
    • 雑誌名

      Culture & Psychology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1177/1354067X221111452

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Career decision-making as dynamic semiosis: Autoethnographic trajectory equifinality modeling2022

    • 著者名/発表者名
      Tsuchimoto Teppei、Sato Tatsuya
    • 雑誌名

      Culture & Psychology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1177/1354067X221140609

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] ビジュアル・ナラティブの可能性:「塔本シスコ展」と「ふるさと絵屏風」を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      土元哲平
    • 雑誌名

      対人援助学マガジン

      巻: 50 ページ: 270-275

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 転機と偶有性2022

    • 著者名/発表者名
      土元哲平
    • 雑誌名

      対人援助学マガジン

      巻: 49 ページ: 259-263

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Personal culture analyzed in the "garden task”: The example of Japanese garden2023

    • 著者名/発表者名
      Megumi Nishikawa,Teppei Tsuchimoto,Tatsuya Sato, & Jaan Valsiner
    • 学会等名
      The 5th Transnational Meeting on TEA
    • 国際学会
  • [学会発表] 縁辺地域の子どもにとっての役割経験と地域観:インタビューにおける「ずれ」に着目して2022

    • 著者名/発表者名
      土元哲平
    • 学会等名
      日本キャリア教育学会 第44回研究大会
  • [学会発表] 離島の子どもはどのように「未来のじぶん」を想像/構想するのか?:Inter-Modal Pre-construction (IMPreC) 法を用いた探求2022

    • 著者名/発表者名
      土元哲平
    • 学会等名
      日本質的心理学会第19回大会
  • [学会発表] 縁辺地域における子どものキャリア発達を促す関係性2022

    • 著者名/発表者名
      土元哲平
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
  • [図書] Re-Inventing Organic Metaphors for the Social Sciences2023

    • 著者名/発表者名
      Teppei Tsuchimoto (Marc Antoine Campil, Ed.)
    • 総ページ数
      263
    • 出版者
      Springer
  • [図書] 文化心理学: 理論・各論・方法論[改訂版]2023

    • 著者名/発表者名
      土元哲平(木戸彩恵、サトウタツヤ, 編)
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      ちとせプレス
  • [図書] 転機におけるキャリア支援のオートエスノグラフィー2022

    • 著者名/発表者名
      土元 哲平
    • 総ページ数
      274
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      9784779516870

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公開日: 2023-12-25  

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