• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

海洋生分解性デンプンベース架橋フィルムの創製

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2123
配分区分基金
研究機関大阪大学

研究代表者

JIA YUXIANG  大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードデンプン / 海洋プラスチックごみ問題 / 刺激応答性高分子
研究実績の概要

既存生分解性プラスチックは海洋環境での生分解が遅く、分解過程で海洋生物に対する悪影響を及ぼす問題点がある。本研究では、安価かつ海洋分解性を有するデンプンを原材料とし、日常生活の使用では耐水性を有して海水中では迅速に軟化・崩壊し、完全に生分解される前に海洋生物誤摂取による危険性を軽減するデンプンに基づいた(デンプンベース)フィルムを開発することを目指した。
前年度では、水素結合を海水応答性架橋結合として用いて、水素結合架橋デンプンベースフィルムを作製し、応答性架橋の保持と脱架橋によりデンプンベースフィルムの崩壊挙動を制御することに成功した。その成果に踏まえ、今年度では、より多くの使用条件に対応できるように、高イオン強度で崩壊するイオン結合を海水応答性架橋結合としての応用を検討した。イオン結合の形成が速いが、制御が難しいため、均一性のあるイオン結合架橋フィルムは現時点に報告が少なかった。そこで、化学反応をイオン結合架橋が形成する前提条件にすることでイオン結合架橋の形成速度を制御することを着想し、化学反応でイオン結合架橋の速度を制御することで、均一で透明なイオン架橋フィルム(DAS/GT/CMC)を作製した。作製したフィルムは純水中で溶解しなかったのに対して、人工海水中では一定時間後溶解し、海水に対する特異的な応答性を示した。このことは、金属イオンの作用でイオン架橋が崩壊し、フィルムの溶解を誘発したと考えられる。
また、より高度なサステナビリティ性を有して大量生産に向ける海水応答性デンプンベースフィルムを目指し、カチオンデンプンと脂肪酸を原材料として、熱可塑性イオン結合架橋デンプンベースフィルムの作製を検討した。作製したカチオンデンプン/脂肪酸フィルムは海水に対する選択的な溶解(崩壊)特性を有することに加え、熱加工で簡単に成形できることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Dual-crosslinked starch/carboxymethyl cellulose blend film with ion-responsive dissolution properties2023

    • 著者名/発表者名
      Jia Yuxiang、Hsu Yu-I、Uyama Hiroshi
    • 雑誌名

      Polymer Degradation and Stability

      巻: 215 ページ: 110453~110453

    • DOI

      10.1016/j.polymdegradstab.2023.110453

    • 査読あり
  • [学会発表] Dual-Crosslinked Starch/Carboxymethyl Cellulose Blend Film with Ion-Responsive Dissolution Properties.2023

    • 著者名/発表者名
      Jia Yuxiang、Hsu Yu-I、Uyama Hiroshi
    • 学会等名
      NRCT-JSPS Joint Research Program Official Kick-off Meeting, Bangkok Thailand, 2023
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi