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2023 年度 実績報告書

夫婦の親密性に潜むジェンダー・ポリティクス:現代日本における妻の葛藤に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2138
配分区分基金
研究機関大阪大学

研究代表者

岡田 玖美子  大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード夫婦関係 / 親密性 / ジェンダー / 感情作業 / Web調査 / インタビュー調査 / フェミニズム正義論 / ケア
研究実績の概要

2023年度は昨年度得たデータをもとに分析・考察および学会発表・論文執筆を進めた。
第一に、Web質問紙調査のデータ(既婚の男女計1159人)について、「感情作業」得点を従属変数とした2変量でのクロス集計やEricson(2005)のモデルにもとづく男女別の重回帰分析を行った。その結果、日本の感情作業をめぐる夫婦関係の実態の一部が明らかにできた。分析結果と考察をまとめ、2024年度の投稿をめざして論文1本を執筆中である。また、この結果をふまえて改良した質問紙を用いて、夫婦ペアでのデータを収集した。このペア・データでも同様の感情作業に関する仮説の検証を進め、個人単位だけでなく夫婦単位での感情作業の実態を明らかにできた。
第二に、長期的なパートナーシップをめざす20~30代のカップル10組への半構造化インタビュー調査から得られたペア・データを用いて、日常的なカップルの感情面での相互行為について「うれしかったこと」や「けんかしたこと」などの語りから質的分析を行った。その結果について、関西社会学会大会で口頭発表を行った。カップル間の日常的なコミュニケーションのプロセスと関係調整の実態、およびそこでめざされている関係性について明らかにした論文を2本執筆し、今後投稿する予定である。
第三に、夫婦の親密な関係における感情面での対等性について、「フェミニズム正義論」(有賀 2011)に着目する理論論文を執筆し、日本女性学会大会で口頭発表を行ったのち、日本女性学会の機関誌『女性学』に掲載された。
そのほか、家族問題研究学会でも先行研究レビューにもとづいた口頭発表を行った。以上の各研究内容の知見を統合し、現代日本における夫婦の親密性モデルの特徴を論じ、成人間の親密な関係における感情面での対等性とジェンダー平等について総合的な考察を行った。その内容をまとめた論文を執筆し、今後投稿予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 「人格的ケア関係」としての夫婦における親密性と平等性――「フェミニズム正義論」を手がかりとして――2024

    • 著者名/発表者名
      岡田 玖美子
    • 雑誌名

      『女性学』

      巻: 31 ページ: 88~105

    • 査読あり
  • [学会発表] 『家族研究年報』にみる「夫婦問題」の変容と視点の転換――「母」「主婦」から「ジェンダー」へ――2024

    • 著者名/発表者名
      岡田 玖美子
    • 学会等名
      家族問題研究学会
  • [学会発表] 若者の恋愛関係における感情作業のプロセス――半構造化インタビューによるペア・データの分析から――2023

    • 著者名/発表者名
      岡田 玖美子
    • 学会等名
      関西社会学会
  • [学会発表] 夫婦関係における対等性と親密性の再定位――フェミニズム正義論に着目して――2023

    • 著者名/発表者名
      岡田 玖美子
    • 学会等名
      日本女性学会
  • [学会発表] 夫婦カウンセリングの現場からみる「話し合えない」夫婦たちの悩みとその関係調整――〈感情作業〉に着目して――2023

    • 著者名/発表者名
      岡田 玖美子
    • 学会等名
      日本家族社会学会

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公開日: 2024-12-25  

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