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2023 年度 実績報告書

生体組織の形態形成において細胞移動から生じる組織流動現象の連続体力学モデリング

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2231
配分区分基金
研究機関神戸大学

研究代表者

竹田 宏典  神戸大学, 工学研究科, 特別研究員(PD) (30931787)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードバイオメカニクス / 計算力学 / 流体ー構造連成解析 / アイソジオメトリック解析 / 連続体力学 / 形態形成 / 座屈 / 細胞膜
研究実績の概要

本研究では、流体中における細胞膜を模擬した薄膜の変形シミュレーションのための数理モデルと数値計算手法の開発に取り組んだ。本年度は、数値計算の精度を向上させるため、曲げ変形に関する弱形式での定式化や、計算メッシュの再分割などを行い、昨年度までに構築した数理モデルと数値計算手法を改良した。そして、細胞の内外に存在する細胞質や細胞外基質の力学的特性や挙動が細胞膜の変形に与える影響を明らかにするため、新たに、弾性膜と周囲組織の相互作用を考慮した数値シミュレーション手法を構築した。弾性膜の変形はKirchhoff-Love shell理論に基づいて記述し、周囲組織の挙動をニュートン流体のストークス流れとして境界積分法に基づいて記述した。そして、B-spline関数による形状表現と境界要素法を組み合わせたアイソジオメトリック境界要素法を用いて、弾性膜の変形と粘性流体との相互作用を考慮した流体―構造連成解析手法を構築した。本手法を流体―構造連成問題の代表例である、せん断流れ中でのカプセル表面に生じるシワ形成へ適用し、本手法の有用性を示した(国際学術雑誌Journal of Fluids and Structuresに掲載)。さらに、細胞移動において重要な細胞突起形成のメカニズムを明らかにするため、細胞膜の流動に伴う局所的な膜面積の拡大によって生じる突起形成のシミュレーションを行った。曲げ変形と面内変形に対する弾性膜の力学特性を変化させてシミュレーションを行い、力のつり合い状態における膜形状を明らかにした。また、細胞膜成分が大域的、あるいは局所的に供給される場合について、それぞれ数理モデル化し、シミュレーションを行うことにより、膜面積の拡大の空間分布が形成された突起の形状に与える影響を明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Isogeometric boundary element analysis of creasing of capsule in simple shear flow2024

    • 著者名/発表者名
      Takeda Hironori、Asai Yusuke、Ishida Shunichi、Taniguchi Yasutoshi、Terahara Takuya、Takizawa Kenji、Imai Yohsuke
    • 雑誌名

      Journal of Fluids and Structures

      巻: 124 ページ: 104022~104022

    • DOI

      10.1016/j.jfluidstructs.2023.104022

    • 査読あり
  • [学会発表] Isogeometric boundary element analysis of wrinkling and creasing of a capsule membrane in a shear flow2023

    • 著者名/発表者名
      Hironori Takeda, Yusuke Asai, Shunichi Ishida and Yohsuke Imai
    • 学会等名
      The 12th Asian-Pacific Conference on Biomechanics
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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