• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

新規脳因子を起点とした肥満限界の制御メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2330
配分区分基金
研究機関広島大学

研究代表者

成松 勇樹  広島大学, 統合生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード肥満 / 生活習慣病 / 神経ペプチド / 脳因子 / 慢性炎症
研究実績の概要

近年の肥満研究においては、どれだけ太っているか(脂肪量)のみならず、あとどれだけ太れるか(肥満限界)も注目されつつある。しかし、肥満限界の実体は未だ明らかにされていない。研究代表者は、新規脳因子であるneurosecretory protein GL(NPGL)が肥満を誘導すること、通常の肥満に伴う代謝異常を抑制することを明らかにしてきた。本研究では代謝異常の基盤病態である慢性炎症の抑制に着目した、NPGLが担う肥満限界の制御機構を明らかにすることを目的としている。初年度は通常食を給餌したマウスの内臓脂肪組織に存在し、インスリン抵抗性と密接に相関するM1(炎症性)/M2(抗炎症性)マクロファ―ジ比が低下することを明らかにした。最終年度は、皮下脂肪組織に存在するM1マクロファージ、M2マクロファージ、T細胞、B細胞の割合をフローサイトメトリーにより解析した。その結果、NPGLを過剰に発現させたマウスにおいて、皮下脂肪組織の重量が増加した一方で、免疫細胞の存在比に有意な差は認められなかった。したがって、NPGLは内臓脂肪組織におけるM1/M2マクロファージ比のみを低下させることで、脂肪組織における慢性炎症を抑制し、代謝異常を伴わずに肥満を誘導することが示唆された。本研究は中枢性因子であるNPGLが末梢の脂肪組織の蓄積と慢性炎症の抑制を同時に制御する可能性を示す初めての報告である。今後、本研究を起点に、中枢からの脂肪蓄積・慢性炎症制御メカニズムを解明していくことで、肥満及び生活習慣病治療に大きく貢献することが期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Neurosecretory Protein GM-Expressing Neurons Participate in Lipid Storage and Inflammation in Newly Developed Cre Driver Male Mice2023

    • 著者名/発表者名
      Narimatsu Yuki、Kato Masaki、Iwakoshi-Ukena Eiko、Moriwaki Shogo、Ogasawara Ayano、Furumitsu Megumi、Ukena Kazuyoshi
    • 雑誌名

      Biomedicines

      巻: 11 ページ: 3230~3230

    • DOI

      10.3390/biomedicines11123230

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 視床下部分泌性小タンパク質NPGLを用いた新規肥満モデルマウスの作製2023

    • 著者名/発表者名
      成松勇樹, 加藤正暉, 岩越栄子, 森脇翔悟, 古満芽久美, 浮穴和義
    • 学会等名
      食欲・食 嗜好を形成する感覚・内分泌・神経基盤研究会2023
  • [学会発表] マウスにおいて視床下部分泌性小タンパク質NPGLは糖・脂質代謝異常を伴わずに肥満を誘導する2023

    • 著者名/発表者名
      成松勇樹, 岩越栄子, 森脇翔悟, 小笠原彩乃, 加藤正暉, 古満芽久美, 浮穴和義
    • 学会等名
      日本動物学会大会第94回山形大会
  • [学会発表] マウスにおける視床下部分泌性小タンパク質NPGLを起点としたエネルギー代謝調節機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      成松勇樹, 岩越栄子, 森脇翔悟, 小笠原彩乃, 加藤正暉, 古満芽久美, 浮穴和義
    • 学会等名
      第14回ペプチド・ホルモン研究会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi