研究課題
今年度の研究活動に関しては、4月~7月を育児に伴う研究中断、8月~9月を研究再開準備支援期間とし、10月より本格的に研究活動を再開した。エンドサイトーシス-リソソーム分解経路は、細胞外の異常分子を除去する重要な機構であり、本活性を促進することは多様な疾患の予防につながる。研究中断前に実施した実験により、食品由来ポリフェノール化合物であるイソラムネチンがマクロファージ様細胞株において、mTORC2-GATA3 経路を介してこの分解活性を亢進することを明らかにしていた。研究活動再開後、申請者は徳島大学医歯薬学研究部から早稲田大学理工学術院へ移籍し、インフォマティクスを用いたより詳細な作用機序の解明に取り組んだ。具体的には、イソラムネチンを処理した野生型細胞およびGATA3欠損細胞の RNA-seq データを用いて、遺伝子発現差解析および GO エンリッチメント解析を実施した。その結果、イソラムネチンの活性には複数のエンドソーム関連遺伝子が関与することを明らかとした。以上より本研究課題では、イソラムネチンがエンドサイトーシス-リソソーム分解経路を亢進する機序を生物学的手法および情報学的手法を用いて詳細に検討し、本活性には mTORC2-GATA3 を介したエンドソームの形成や輸送が重要であることを明らかとした。本研究成果は Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition 誌に投稿され、2024年3月に受理された。
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The Journal of Nutritional Biochemistry
巻: 126 ページ: -
10.1016/j.jnutbio.2024.109589
Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition
巻: - ページ: -