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2023 年度 実績報告書

新規癌抑制因子PPM1Hホスファターゼの創薬への応用に向けた分子的基盤の創成

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2362
配分区分基金
研究機関愛媛大学

研究代表者

大澤 仁  愛媛大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードPPM1H / プロテインホスファターゼ / 脱リン酸化
研究実績の概要

プロテインホスファターゼPPM1Hはこれまで、がん抑制因子であると考えられてきた。一方、肺がんにおいてはPPM1Hの高発現が予後不良と正に相関することが見出され、PPM1Hはがんを促進しうることが示唆されている。そこで本研究では、PPM1Hを標的とした新たながん治療戦略の構築を試みた。
PPM1H阻害剤開発のために、長崎大学が所有する海洋微生物抽出物ライブラリーを対象に、阻害剤同定スクリーニングを実施した。その結果、PPM1Hを阻害する化合物を含むと考えられる微生物抽出物を取得した。抽出物の分画を行い、PPM1H阻害活性を持つ化合物の同定を試みたところ、これまでに知られていない新規な構造を持つ化合物であることが明らかになった。
PPM1Hは、制御因子によって機能が制御される可能性があることが、報告者らの先行研究によって示唆されていた。近年はホスファターゼの制御因子を標的とした創薬が進展しつつあることを考慮すると、PPM1Hの制御因子を同定することは、PPM1Hを標的とした創薬の発展に資すると考えられる。そこでPPM1Hの制御因子となりうるタンパク質を、酵母ツーハイブリッド法にて探索した。その結果、Mediator of RNA polymerase II transcription subunit 29 (MED29)をPPM1Hの新規相互作用因子として同定した。計算機科学的手法及び生化学的手法にてPPM1HとMED29の結合様態を検討した結果、MED29はPPM1Hの触媒領域外N末端に結合することを見出した。この結果を踏まえてMED29がPPM1Hの酵素活性に及ぼす影響について検討したが、MED29はPPM1Hの脱リン酸化機能に影響を及ぼさないことが確認された。以上の結果より、MED29はPPM1Hの新規結合因子ではあるが、PPM1Hの制御因子ではないことが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Functional regulation of the protein phosphatase PPM1M by phosphorylation at multiple sites with Ser/Thr-Pro motifs2024

    • 著者名/発表者名
      Jin Osawa, Masataka Karakawa, Aoi Taniguchi, Yuiko Inui, Chika Usuki, Atsuhiko Ishida, Isamu Kameshita, Noriyuki Sueyoshi
    • 雑誌名

      Archives of Biochemistry and Biophysics

      巻: 753 ページ: -

    • DOI

      10.1016/j.abb.2024.109887.

    • 査読あり
  • [学会発表] プロテインホスファターゼPPM1Mのリン酸化による多重制御2023

    • 著者名/発表者名
      大澤 仁,唐川 督理,谷口 葵,乾 優依子,亀下 勇,石田 敦彦,末吉 紀行
    • 学会等名
      日本農芸化学会2023年度中四国・西日本支部合同大会

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公開日: 2024-12-25  

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