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2023 年度 実績報告書

麻酔薬を用いた上皮細胞膜構造の形成機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2374
配分区分基金
研究機関九州大学

研究代表者

松本 惇志  九州大学, 理学研究院, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード上皮細胞 / タイトジャンクション / コレステロール / 上皮間葉転換 / スフィンゴミエリン / 膜秩序性 / アルコール
研究実績の概要

昨年度までの研究に引き続き、膜物性を感知して蛍光は朝の変わるソルバトクロミック色素の改良・新規開発を行った。その結果、従来の色素PKよりも耐光性、観察毒性の面で優れたFπCMの開発に成功し、論文として発表した。
また、昨年度開発した改変型PKを用いて、上皮細胞と、上皮間葉転換によって間葉細胞へと分化した細胞とを比較したところ、上皮細胞が間葉化した細胞よりも形質膜を高秩序性に保っていることを発見した。この違いを手がかりに上皮細胞と間葉細胞の脂質代謝、主にコレステロールとスフィンゴミエリンの代謝について詳細に解析を行ったところ、間葉化した細胞ではスフィンゴミエリンとコレステロールの量的なバランスが崩壊し、コレステロールが過剰蓄積した状態となることがわかった。さらに、異所的な間葉化は悪性のがん細胞でよく観察される現象であるため、この脂質代謝異常をターゲットにすることで悪性がん細胞の増殖を選択的に抑制できることも発見した。これらの結果は日本細胞生物学会にて発表し、現在論文投稿準備中である。
また、上皮細胞に対するアルコール曝露の効果も引き続き検討した。上皮細胞の細胞接着構造のうち、タイトジャンクションがアルコール曝露によって特異的に影響されることを見出した。また、上記膜秩序性プローブを用いてアルコール曝露が膜秩序性に与える影響を検討したところ、アルコール曝露によって細胞全体の膜秩序性が一過的に低下する様子が観察された。現在は、これらの現象の関連を明らかにすべく検討を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Fluorescent Solvatochromic Probes for Long‐Term Imaging of Lipid Order in Living Cells2024

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Takuya、Matsumoto Atsushi、Klymchenko Andery S.、Tsurumaki Eiji、Ikenouchi Junichi、Konishi Gen‐ichi
    • 雑誌名

      Advanced Science

      巻: 2309721 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1002/advs.202309721

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 上皮間葉転換に伴う脂質代謝バランスの変化はコレステロールの過剰蓄積を引き起こす2024

    • 著者名/発表者名
      松本惇志、猪子誠人、細田和貴、小島崇宏、大西紘二、池ノ内順一
    • 学会等名
      第75回日本細胞生物学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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