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2023 年度 実績報告書

酸素雰囲気下におけるアミノ酸誘導体の触媒的脱水素型クロスカップリング反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2394
配分区分基金
研究機関九州大学

研究代表者

辻 汰朗  九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード脂肪族アミン / アミノ酸 / ジアゼン / 金属触媒 / 脱アミノ反応
研究実績の概要

脂肪族アミンは、タンパク質やアルカロイドといった生体内や天然に広く存在する重要な化合物の一つである。しかし、脂肪族アミンのC-N結合活性化に伴う新たな官能基変換は、アルキルハライドやカルボン酸などに比べて、未だ発展途上の分野である。この課題を克服する方法として、私はジアゼンに着目した。本化合物は、加熱や光により分子状窒素の放出を伴いながらアルキルラジカルを生成することが可能であり、ポリマー合成のラジカル開始剤などに汎用されている。一般的に、ジアゼンはケトンとヒドラジンを原料とし、数工程を経て合成される。一方、脂肪族アミンより直接合成する手法は限られており、化学量論量以上の入手困難な活性化剤の使用、多段階合成といった課題が残されていた。
このような背景の下、立体混雑なα-第三級アミンを用いた脱アミノ変換反応のための触媒的ジアゼン合成法の開発を目的とし、研究に着手した。様々な検討を行った結果、銅触媒存在下、アミノ基をホモカップリングさせ、様々なアミノ酸由来のジアゼンの合成を達成した。本条件は室温1分で目的物が高収率で得られる迅速な反応であり、様々な官能基が共存可能であった。例えば、エステルやアミド、Weinreb amideといったカルボニル基や、シアノ基、スルホニル基などを有する様々なジアゼンが高収率で合成可能であった。続いて合成したジアゼンを基質として用いた種々の脱アミノ変換反応を検討した結果、本反応は多様な反応系と組み合わせることが可能であり、2ステップ以内で多様な官能基に変換可能であることを見出した。特に1ステップで、C-N結合をC-Br結合やC-Cl結合に変換でき、立体混雑なα-第三級アミンに対して直接アミノ基を変換する方法として既存法とは一線を画すものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 立体混雑なα-三級アミンを用いた脱アミノ変換反応のための触媒的ジアゼン合成の開発2024

    • 著者名/発表者名
      辻汰朗
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
  • [学会発表] α-Amino acid and peptide synthesis using catalytic cross-dehydrogenative coupling2023

    • 著者名/発表者名
      Taro Tsuji
    • 学会等名
      OMCOS XXI
    • 国際学会
  • [学会発表] α-四置換アミンの触媒的アゾ化と脱アミノ変換反応の開発2023

    • 著者名/発表者名
      辻汰朗
    • 学会等名
      第49回反応と合成の進歩シンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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