研究課題
最終年度は、昨年度から継続して聴覚課題を応用して脳波を指標としたニューロフィードバック訓練法を開発した。具体的には、音の弁別(40, 42Hz)をしながら自分の脳波を確認し、内因性ガンマ活動を抑制するよう訓練を行う。音の弁別課題を行っている時の脳波をリアルタイムで解析し、脳活動を視覚的にフィードバックする。同時に、課題の正解・不正解もフィードバックし、脳活動を抑制しつつ、課題に正解するように教示を与える。この基本事項を遵守しつつ、より精度の高いシステムを作成するため調整を繰り返した。1日1時間の訓練セッションを2週間の間に5回(月、水、金、月、水等)実施し、毎回脳活動の閾値(それ以上のパワー値になるとノイズとみなす)を決めた。その閾値を用いて訓練セッションを3回実施し、さらに1週間後にガンマ抑制の訓練効果が持続しているか確認した。検討する中で、脳波として解析しているものが実際の内因性ガンマ活動であるのか、システムノイズをフィードバックしている可能性はないかが問題となり、計測時点でノイズ処理できるような個々人の最適値に合わせたシステム構築が必要であることがわかったため、改良点を挙げ、さらなるシステム構築を目指した。今年度までに実施していた研究を令和6年度から日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究C「統合失調症者の言語性幻聴緩和のためのニューロフィードバック支援法の開発」という課題で研究継続する予定である。今年度は、本研究課題に関連して3件の学会発表を行った。うち、第53回日本臨床神経生理学会学術大会では講演内容に対して最優秀演題賞(一般口演)の評価がなされた。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件)
Frontiers in Neuroscience
巻: 17 ページ: 1277733
10.3389/fnins.2023.1277733
Clinical Neuroscience
巻: 41(6) ページ: 841-846