研究課題
本年度においてもPLATO装置では乱流計測には至らなかったが、トカマクプラズマ形成のための立ち上げ実験が進展し、最大でプラズマ電流20kAの放電が達成された。 また、乱流揺動計測に向けた磁気プローブやトモグラフィシステムの準備を進めた。一方で、PLATOでの実験と並行して直線装置PANTAのトモグラフィシステムを利用し、観測した揺動パターンの時間変化から速度場を推定する手法の開発を昨年度に引き続き進めた。フーリエ・矩形関数展開を利用した1次元での周方向速度場推定法では新たに計測ノイズに起因する推定誤差の評価法を確立した。実際のトモグラフィデータに応用したところ、周方向速度のコヒーレントなゆらぎを検出し、特定の揺動によって周方向速度が変調されていることを示唆する結果が得られた。さらに、本手法を径方向速度も含めた2次元での推定に拡張した。2次元での推定ではフーリエ・ベッセル関数を母関数として速度場を展開することで連続した流れ場を推定する手法を提案した。実データへ応用し, プラズマ断面各点で時間平均した速度場を求めたところ、周方向に空間非対称性が存在していることが新たに示唆された。これらの開発した手法と応用結果については学術誌にて発表した。本手法はPLATOでのトモグラフィ計測にも応用可能なものであり、乱流と共存する巨視的な流れ場を抽出することでクロススケール結合や長距離相関の理解にも有用である。
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Plasma and Fusion Research
巻: 19 ページ: 1201005~1201005
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Journal of Applied Physics
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