研究課題
抑制性シナプスには、五量体型のGABA受容体(GABAR)とglycine受容体(GlyR)が存在し、抑制性神経伝達を担う。GABAR subunitとGlyR subunitから成るhybrid受容体が存在し、GABAとglycineそれぞれに応答するかを明らかにするために研究を進めた。先行研究を基に、GABAR subunitでは23種類のうち、GABARa1,GABARb3,GABAg2を、GlyR subunitでは7種類のうち、GlyRa1, GlyRbbのcRNA合成をそれぞれ単独に行った。cRNAはさまざまな組み合わせでXenopusの卵母細胞にinjectionすることで卵母細胞膜表面上に複数パターンのsubunitを発現させた。膜表面上に発現したsubunitは、二電極式ボルテージクランプ法による電流記録を行うことで、GABAやglycineへの開口特性を評価し、hybrid受容体を形成するか確認した。まずは、GABARb3とGABARg2とGlyRa1を共発現させると、それぞれGABAとglycine両方の暴露により開口が見られた。しかし、GABARb3とGABARg2から構成される受容体はGABA暴露で、GlyRa1のみから構成される受容体はglycine暴露で開口することから、それぞれGABAとglycine両方の暴露に応答するhybrid受容体を評価できたと断言できない。この問題点を解決するために今後は、GABARb3とGABARg2のhetero五量体発現抑止及びGlyRa1のhomo五量体発現抑止のために、GABARb3とGlyRa1のsubunitを連結させたconcatemerをクローニングする。合成したconcatemerはGABARg2と共発現させ、GABAとglycine両方に対して応答するかを検証する。
2: おおむね順調に進展している
もともと予定していた研究を遂行する中で、実験結果が得られている。
次年度も引き続き、研究計画通りに研究を遂行する。
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