研究課題
本研究の目的は、7大陸27カ国の多民族に渡る遺伝性網膜疾患コホートにおいて、病的バリアントの起源・分散・民族性を同定すると伴に、人工知能を活用した遺伝型表現型相関構築を通じて、各民族を対象とした病態解明を世界規模で推し進める事である。機械学習により、臨床画像から疾患重症度診断、原因遺伝子予測を構築し、日本人コホートにおいて、罹患率の高い遺伝子に対して、遺伝型表現型関連解析(を実践する。構築されたapplication program interface(API)の精度は、Webブラウザを通して国際コホートにおいて検証され、本邦および諸外国での個別化医療の実践に役立てられる。本研究で構築される、世界規模でのゲノムデータを活用しての、疾患理解の推進、人口知能を活用する事により可能となる民族基盤遺伝型表現型相関の構築は、治療法が確立されていない難病解決モデルとして、大きなインパクトが予想され近未来では、遠隔医療の現場等で、APIを用いた一時スクリーニングが実現する事で、医療の質向上、医療費の削減の両者に大きく寄与する事が期待される。本研究はこれまでに、研究代表者が参画しているGlobal Inherited Retinal Disease Consortium (GIRDc)を活用し、症例リクルートが完了した。得られたデータの標準化が行われ、人工知能を用いた遺伝型相関の構築が実践され、これまでに対象として抽出された原因遺伝子群ごとに、重症度カテゴリーをアウトカムとして画像のデイープラーニングを行い、実践可能なAPI の作成が予定されている。本研究に関連してこれまでに論文15報、著書5報、学会発表17回、招待講演1回が行われている。
2: おおむね順調に進展している
本研究の目的は、7大陸27 カ国の多民族に渡る遺伝性網膜疾患コホーにおいて、病的バリアントの起源・分散・民族性を同定すると伴に、人工知能を活用した遺伝型表現型相関構築を通じて、各民族を対象とした病態解明を世界規模で推し進める事である。機械学習により、臨床画像から疾患重症度診断、原因遺伝子予測を構築し、日本人コホートにおいて、罹患率の高い、ABCA4、EYS、RP1L1遺伝子の高頻度病的バリアント に対して、遺伝型表現型関連解析(表現型vs 原因遺伝子、重症度 vs 病的バリアント、重症度 vs ハプロタイプクラスター)を実践する。構築されたapplication program interface(API)の精度は、Webブラウザを通して国際コホートにおいて検証され、本邦および諸外国での個別化医療の実践に役立てられる。本研究では3年の研究計画の中で5段階を経て遂行される。(1)データリソースの確保、(2) 臨床情報の標準化、(3) ハプロタイプ解析、祖先解析、(4) 人工知能を活用した診断・重症度と遺伝型の相関構築、(5)社会実装2022年度では、リクルートされた登録症例に対して、臨床情報・遺伝学的データの双方の紐づけデータの作成が行われた。各臨床情報については、臨床情報の標準化が行われた後、人工知能を活用した診断・重症度と遺伝型の相関構築が実施された。得られた知見については、論文発表等(論文3報、学会発表12回、招待講演1回、著書2報)が行われた。
本研究では、研究代表者が参画しているGlobal Inherited Retinal Disease Consortium (GIRDc)に登録された症例データを活用し遺伝学的クラスター特異性の高いバリアントが確定される。民族特異的バリアントを対象とし、原因遺伝子カテゴリー、重症度カテゴリー(軽症・中等症・重症)をアウトカムとして画像のデイープラーニングを行い、API作成する。APIを用いた表現型・重症度と原因遺伝子・バリアント・ハプロクラスターにおける統計学的関連(カテゴリカルデータの独立性・一致性検討)が以下の3条件に対して行われ(A 表現型vs原因遺伝子、B 重症度 vs 病的バリアント、C 重症度vs ハプロタイプクラスター)、統計学的優位な相関が確立される。得られたAPIは、各民族や地域を超えて臨床画像により機械診断を可能とし、世界7大陸27カ国のコンソシアムに共有され、臨床診断の場に利用され、その有用性が検証される。2023年度では、抽出された原因遺伝子群ごとに、重症度カテゴリーをアウトカムとして画像のデイープラーニングを行い、実践可能なAPI 作成する。API を用いた表現型・重症度と原因遺伝子・バリアント・ハプロクラスターにおける統計学的関連(カテゴリカルデータの独立性・一致性検討)が以下の3 条件に対して行われ(A 表現型vs 原因遺伝子、B 重症度 vs 病的バリアント、C 重症度vs ハプロタイプクラスター)、統計学的優位な相関が確立される。得られたAPI は、各民族や地域を超えて臨床画像により機械診断を可能とし、世界7 大陸27 カ国のコンソシアムに共有され、臨床診断の場に利用され、その有用性が検証される。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 13件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
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