研究課題/領域番号 |
22J40065
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
三好 賢聖 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2023-01-04 – 2026-03-31
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キーワード | 身体感覚 / デザイン / 呼吸 / プロトタイピング / リサーチ・スルー・デザイン / 詩学 |
研究実績の概要 |
「デザイン教育における身体感覚の探索を通じた感性開拓の研究」と題する本研究の背景として、身体性認知科学や身体感性論など、身体性に関する様々な知識や理論体系が蓄積される一方、それらの知見がデザイン教育に十分に活用されていないという現状がある。本研究は、身体感覚の探索がデザイン教育において如何なる有用性をもち得るかを明らかにし、身体性を主軸としたデザインカリキュラムの設計論を構築することを目指している。 令和4年度の実績としては、まず関連分野の文献調査を行なった。具体的には、呼吸法に関するもの(James Naster)、詩学に関するもの(ミシェル・ド・セール)、ベルクソン哲学に関するもの(平井靖史)が含まれる。これと並行し、実践研究で用いるためのプロトタイプの設計の改善を行なった。 また、昨年に出版した自著『動きそのもののデザイン』の刊行記念イベントを行い、多摩美術大学の久保田晃弘教授と対談を行なった。本研究の展望についても議論を行うことができた。特に、私の現在の研究では観測者と観測対象物を考えた際に、観測者自身の明示的な身体運動を組み込んだ理論的枠組みには至っていない。そのため、対象物が動くだけではなく、観測者自身の身体運動もまた積極的に考慮すべき状況のときに、観測者自身の身体運動感覚と、対象物の動きに対して抱かれる運動共感がどのように折り合うのか、という観点は本研究のなかで継続して考えていくべきである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の実績としては、まず関連分野の文献調査を行なった。具体的には、呼吸法に関するもの(James Naster)、詩学に関するもの(ミシェル・ド・セール)、ベルクソン哲学に関するもの(平井靖史)が含まれる。これと並行し、実践研究で用いるためのプロトタイプの設計の改善を行なった。これらは当該研究で計画をしている参加型研究の準備となるものであり、最初の三ヶ月に行うべき研究量を遂行することができたと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は文献調査を継続して行うことにより、デザイン・身体に関して随時更新される基盤知識の拡充を図る。継続して、プロトタイプの設計改良と簡易的なユーザーテストを行うことにより、参加型研究を徐々に始めることを予定している。
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