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2023 年度 実績報告書

多様性を有するパーキンソン病の層別化による新規診断・治療開発基盤の創出

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2745
配分区分基金
研究機関順天堂大学

研究代表者

山口 昂大  順天堂大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード孤発性パーキンソン病 / iPS細胞 / 層別化
研究実績の概要

パーキンソン病は中脳黒質のドパミン神経脱落による運動症状を主症状とするが、発症機序は完全には解明されておらず治療は対症療法にとどまっている。症例の9割以上を占める孤発例は患者の臨床経過が多様であり、その分子メカニズムにも多様性が存在すると考えられている。本研究はiPS細胞を用いて、孤発性症例を分類することにより新たな病態解明・疾患修飾薬の開発を中心とした治療法開発につなげることを目的としている。
前年度までに同定した52症例の患者由来ドパミン神経細胞における細胞表現型に基づく3つのクラスターについて、今年度はその背景要因の探索を進めた。細胞表現型や臨床情報いずれも単一のパラメータのみでは十分な説明因子とはいえず、複合的な背景要因の存在が示唆された。そこで、細胞表現型に限らず簡便に入手可能な末梢血採取時年齢や性別、身長、便秘の有無といった臨床データを複数用いてクラスター分類を予測する手法の開発を試みた。AUC 0.69-0.86の精度で各グループを再構成することに成功したが、各グループに対する特異的な病態との関連を示すことはできず、一般化されたデータだけでは病態と紐づいた孤発性PDの分類・予測は困難である可能性が示唆された。そこで、患者情報として一般採血所見や全エクソーム解析データといったより詳細なデータを統合することにより、孤発性PDの細胞表現型との関連を探索した。その結果、候補化合物として期待できるブロモクリプチンによる細胞脆弱性改善効果と血清筋酵素低下との関連を検出し、神経細胞内αシヌクレインの蓄積レベルと補体関連因子の一塩基多型の関連を同定することに成功した。それぞれ神経-骨格筋連関及び神経-免疫連関との関連が予測されることから、詳細な機序について検証するとともに、同定した患者情報が細胞表現型の予測サロゲートマーカーとなりうるか、その有用性を検討した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] MELAS-Derived Neurons Functionally Improve by Mitochondrial Transfer from Highly Purified Mesenchymal Stem Cells (REC)2023

    • 著者名/発表者名
      Liu Lu、Yang Jiahao、Otani Yoshinori、Shiga Takahiro、Yamaguchi Akihiro、Oda Yasuaki、Hattori Miho、Goto Tsukimi、Ishibashi Shuichi、Kawashima-Sonoyama Yuki、Ishihara Takaya、Matsuzaki Yumi、Akamatsu Wado、Fujitani Masashi、Taketani Takeshi
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 ページ: 17186~17186

    • DOI

      10.3390/ijms242417186

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 疾患特異的iPS細胞と遺伝子・臨床情報の融合による孤発性パーキンソン病の層別化2024

    • 著者名/発表者名
      山口昂大, 石川景一, 斉木臣二, 舩山学, 服部信孝, 赤松 和土
    • 学会等名
      第23回日本再生医療学会総会
  • [学会発表] Phenotype-based classification of idiopathic Parkinson’s disease derived iPSCs and its application2023

    • 著者名/発表者名
      Akihiro Yamaguchi, Kei-ichi Ishikawa, Shinji Saiki, Nobutaka Hattori, and Wado Akamatsu
    • 学会等名
      第64回日本神経学会学術大会

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公開日: 2024-12-25  

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