研究課題
当該研究は,他者もしくは自己の印象がどのように形成されるのかを明らかにすることである。そのために,自己と他者,そしてそれらが存在する場,すなわちコミュニケーションを形成する全ての要素に着目している。これらの要素がどのように相互作用して,自己と他者の印象形成メカニズムの解明を目指すものである。当該年度においては,他者の印象形成メカニズムを明らかにするために,自身が発見した「クローン減価効果」という現象をもとに,他者の印象形成と認知資源との関係性を明らかにするための実験準備を行った。また,大規模な実験データを取得するためのオンライン環境の整備も行なった。その他にも,広告モデルの印象などの他者の印象形成の応用的研究についても進めている。このような研究は,実社会における印象形成メカニズムを理解するために重要な手段であり,現在,受入教員との議論を重ねている。当該年度は研究員の異動およびその研究環境整備により多少遅れが生じたと考えられるが,パートナー印象における個人の好みと理想の文化差,笑顔の老化効果という顔から受ける年齢印象形成といった,本研究テーマに関連する論文3本が査読付き国際誌に掲載・原則的受理されるなどある程度の成果を生んでいる。さらに,関連する感情に関する論文を査読付き論文誌に投稿をしている。今年度は整備された環境にて掲載された論文の知見や受入教員との議論を基にして,研究を進める予定である。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通りに,実験準備を完了させたものの,データの収集までには至らなかった。一方で,前年度に準備した文章によって形成される他者印象形成の研究という関連研究は,データ収集を終えて今年度学会発表予定として進めるている。さらに,広告モデル印象に関する研究もデータの収集に入っている。また,パートナー印象における個人の好みと理想の文化差,笑顔の老化効果という顔から受ける年齢印象形成といった,本研究テーマに関連する論文3本が査読付き国際誌に掲載・原則的受理され,成果として生まれている。この3点より計画はある程度順調に進展しているものと考える。
当該年度にて準備を進めてきた実験を実施して研究を進めていくと同時に,その他の関連する他者印象形成の研究も進める。大規模実験データを取得するためのオンライン環境の整備も行なったため,実験室実験のみならずオンライン実験も並行して行えるように準備を整える。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件)
Royal Society Open Science
巻: 10 ページ: -
10.1098/rsos.191375
F1000Research
巻: 11 ページ: 404~404
10.12688/f1000research.111126.3
Journal of Personality and Social Psychology.
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