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2023 年度 実績報告書

分子空間固定型ネガマイシンの標的分子同定と論理的リードスルー創薬への展開

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2791
配分区分基金
研究機関東京薬科大学

研究代表者

大村 紀子  東京薬科大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードリードスルー / ナンセンス変異 / 遺伝性疾患 / ネガマイシン
研究実績の概要

ナンセンス変異性疾患は、構造遺伝子中に未熟終止コドン(PTC)が生じ、機能不全の不完全長タンパク質が生成することにより発症する。近年、PTCを読み飛ばす(リードスルー)ことで、機能を持つ完全長タンパク質を生成させる方法が注目を集めている。ネガマイシンは1970年に放線菌より単離同定され、PTCを読み飛ばす(リードスルー)ことが報告されている。これまで、申請者はネガマイシンに着目した創薬研究を展開し、強力なリードスルー活性を有する誘導体TCP-304の独自開発に成功している。一方、ネガマイシン誘導体の作用メカニズムは未解明であり、本創薬研究の課題となっている。そこで本研究では、TCP-304を先導化合物とした構造活性相関研究の継続により、さらに高活性な誘導体を得るとともに、ネガマイシンの作用標的同定をめざしたケミカルバイオロジー研究を展開した。
その結果、まずTCP-304を基盤とした誘導体合成により、TCP-304の2.5倍強いリードスルー活性を有する誘導体TCP-306をはじめとする複数の新規高活性誘導体の獲得に成功した。
ネガマイシンの作用標的同定研究においては、ネガマイシン誘導体に光親和性官能基を修飾した化学プローブを新たに合成し、細胞抽出液を用いたプルダウンアッセイを実施したが、誘導体に由来する特異的な標的分子の同定には至らなかった。
一方、誘導体のリードスルー活性評価の過程において、リードスルーの起こりやすさ(リードスルー効率)がPTCの種類とその周辺の塩基配列に影響を受けることが示唆された。そこで、リードスルーのメカニズム解明研究の一端として、ネガマイシン誘導体TCP-306がリードスルーを起こしやすい遺伝子配列的特徴(リードスルー特性)を調査した。その結果、ネガマイシン誘導体のリードスルー特性がアミノグリコシド系抗生物質のそれとは異なることを新たに見出した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Development of Conformationally Restricted Negamycin Derivatives for Potent Readthrough Activity2023

    • 著者名/発表者名
      Omura Noriko、Taguchi Akihiro、Kuwahara Tomoki、Hamada Keisuke、Watanabe Mizuki、Nakakuki Masanori、Konno Sho、Takayama Kentaro、Taniguchi Atsuhiko、Nomura Toshifumi、Shuto Satoshi、Hayashi Yoshio
    • 雑誌名

      ACS Medicinal Chemistry Letters

      巻: 14 ページ: 1807~1814

    • DOI

      10.1021/acsmedchemlett.3c00424

    • 査読あり
  • [学会発表] Readthrough Activity of Negamycin Derivatives against TP53 Nonsense Mutant2023

    • 著者名/発表者名
      Noriko Omura, Ayaka Ema, Akihiro Taguchi, Keisuke Hamada, Sho Konno, Kentaro Takayama, Atsuhiko Taniguchi and Yoshio Hayashi
    • 学会等名
      28th American Peptide Symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] 分子空間固定型ネガマイシン誘導体の創製と筋ジストロフィー由来ナンセンス変異に対するリードスルー特性評価2023

    • 著者名/発表者名
      大村 紀子、田口 晃弘、桑原 智希、濵田 圭佑、渡邉 瑞貴、中久木 正則、今野 翔、高山 健太郎、谷口 敦彦、乃村 俊史、周東 智、林 良雄
    • 学会等名
      第 40 回メディシナルケミストリーシンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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