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2022 年度 実績報告書

生体適応型マイオスタチン光酸素化分子の創製~新規プロテインノックダウン法の確立~

研究課題

研究課題/領域番号 22J10632
配分区分補助金
研究機関東京薬科大学

研究代表者

岡本 英之  東京薬科大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2024-03-31
キーワードマイオスタチン / ペプチド / 光酸素化 / 光増感剤 / コンジュゲート
研究実績の概要

当該年度は、全てD-アミノ酸からなる 16 残基のマイオスタチン阻害ペプチドの構造最適化および新規光増感剤の創製を行った。具体的には、既に報告されている 16 残基ペプチド(MID-35)を構成しているアミノ酸の内、光酸素化を受けやすいトリプトファン残基を他の疎水性アミノ酸で置換したペプチドを合成し、そのマイオスタチン阻害能を評価した。その結果、本ペプチドは置換前のペプチドと同等の阻害活性を有することが確認された。そして、本ペプチドを基盤としてアラニンスキャンを実施し、既知の報告と合わせて光増感剤の導入位置を決定した。それら置換許容性の高いアミノ酸残基に光増感剤を導入した各コンジュゲートを合成した。各コンジュゲートは既知の23残基のペプチドからなるコンジュゲートと同様にマイオスタチンを光酸素化によって阻害した。特に、N末端に光増感剤を導入したコンジュゲートはマイオスタチン選択性および阻害能に優れていた。本成果をOkamoto, H., Taniguchi, A., Hayashi, Y. et al., RSC Med. Chem., 2023, 14, 386-392. にて報告した。
続いて、新規オンオフスイッチ型光増感剤を合成し、その光酸素化能およびその機能評価・メカニズム解析を行った。その結果、新規光増感剤は 730 nm という人体への適応が可能な長波長光照射下において、一重項酸素を生成していることが示唆された。すなわち、本光増感剤は光酸素化能を有していると考えられる。
マイオスタチンの阻害は、様々な筋萎縮性疾患の治療法になり得る。そのため、これらの結果は本手法の in vivo 実験への適用可能性を高め、ひいてはマイオスタチンの光酸素化による阻害という新たな治療戦略の提供に繋がると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は、既知のペプチドの構造最適化を行い、既知のペプチドと同等の阻害活性を有し、かつ自己酸素化を起こしにくいと考えられるペプチドの獲得に成功した。そして、本ペプチドについて、論文発表することができた。また、新規光増感剤を獲得し、その光酸素化能を有することを確認した。以上より、本研究課題は順調に進んでいると考える。

今後の研究の推進方策

今後は、ペプチドの構造最適化にて得られた知見を基に、獲得した16残基ペプチドの1 位、4 位、8 位、13 位、C末端それぞれへ新規光増感剤を導入したコンジュゲートの合成を行う。そして、各コンジュゲートの機能評価を行い、最適構造のコンジュゲートを獲得し、それを用いて in vivo 評価を実施する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Inactivation of myostatin by photooxygenation using functionalized <scp>d</scp>-peptides2023

    • 著者名/発表者名
      Okamoto Hideyuki、Murano Shuko Amber、Ikekawa Kaoru、Katsuyama Masahiro、Konno Sho、Taguchi Akihiro、Takayama Kentaro、Taniguchi Atsuhiko、Hayashi Yoshio
    • 雑誌名

      RSC Medicinal Chemistry

      巻: 14 ページ: 386~392

    • DOI

      10.1039/d2md00425a

    • 査読あり
  • [学会発表] Development of peptide-photooxygenation catalyst conjugates for myostatin inactivation2022

    • 著者名/発表者名
      Hideyuki Okamoto, Atsuhiko Taniguchi, Shoya Usami, Masahiro Katsuyama, Shuko-Amber Murano, Sho Konno, Akihiro Taguchi, Kentaro Takayama, Yoshio Hayashi
    • 学会等名
      36th European Peptide Symposium/12th International Peptide Symposium (36th EPS/12th IPS)
  • [学会発表] INHIBITION OF MYOSTATIN BY BIOADAPTATIVE PEPTIDE-PHOTOOXYGENATION CATALYST CONJUGATE2022

    • 著者名/発表者名
      Hideyuki Okamoto, Shuko Amber Murano, Kaoru Ikekawa, Masahiro Katsuyama, Sho Konno, Akihiro Taguchi, Kentaro Takayama, Atsuhiko Taniguchi, and Yoshio Hayashi
    • 学会等名
      第59回ペプチド討論会
  • [備考] 医療衛生薬学科 薬品化学教室 研究室紹介 | 東京薬科大学 薬学部

    • URL

      https://www.ps.toyaku.ac.jp/yakuhinkagaku/

  • [備考] 東京薬科大学薬学部 薬品化学教室

    • URL

      https://www.hinka-toyaku.com/

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公開日: 2023-12-25  

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