研究課題/領域番号 |
22KJ2848
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
増井 真琴 明治大学, 明治大学, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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キーワード | 巌谷小波 / 日本近代文学 / 日本児童文学 / 国文学 / 日本思想史 |
研究実績の概要 |
今年度報告者は、学振PDの採択課題である「巌谷小波の文学と思想に関する総合的研究:全文業及び旧植民地での口演童話に注目して」を推進し、計5本の論文発表、計3回の学会発表を行った。その内容は、以下の通りである。 【論文】 ①増井真琴「ドイツ洋行体験からの飛躍:巌谷小波『世界お伽噺』論」(『日本近代文学会北海道支部会報』第26号、1-42頁、2023年5月)、②増井真琴「植民地樺太をめぐる旅:巌谷小波の樺太体験」(『跨境:日本語文学研究』 第16号、13-36頁、2023年6月)、③増井真琴「古典説話の再生:巌谷小波『東洋口碑大全』論 」(『文芸研究』第151号、1-67頁、2023年9月)、④増井真琴「巨大説話集の編纂:巌谷小波『大語園』論 」(『2023年度台湾日本語・日本文学研究国際学術シンポジウム論文予稿集』巻号無し、210-217頁、2023年12月)、⑤増井真琴「米領ハワイをめぐる旅:巌谷小波のハワイ体験(下)」(『日本文学文化』第23号、17-24頁、2024年2月)。 【学会発表】 ①増井真琴「古典説話の再生:巌谷小波『東洋口碑大全』論」(日本近代文学会2023年度春季大会・国際研究集会、青山学院大学、2023年6月25日)、②増井真琴「近代日本の天津体験:巌谷小波・芥川龍之介・吉野作造・保田與重郎・愛新覚羅溥儀を事例として」(東京女子大学比較文化研究所・上海外国語大学日本研究センター国際共同研究シンポジウム「近代日本の中国都市体験(4):奉天(瀋陽)・天津・蘇州・杭州」、オンライン開催、2023年7月29日)、③増井真琴「巨大説話集の編纂:巌谷小波『大語園』論」(2023年度台湾日本語文学会国際学術シンポジウム、台湾・中国文化大学、2023年12月9日)。 以上、2023年度における報告者の研究は、おおむね順調に進展しており、研究の遅延等は特段発生していない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の「研究実績の概要」欄でも記したように、今年度報告者は、計5本の論文発表、計3回の学会発表を行っており、研究の遅延等は、特段発生していない。したがって、2023年度における報告者の研究は、おおむね順調に進展したものと結論付けられる。
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今後の研究の推進方策 |
報告者はこの間、巌谷小波に関する計14本の論文を書き、内12本は既にどこかしらの雑誌・紀要等に掲載されているが、最終年度となる2024年度は、これらの論文を骨子にして、巌谷小波論を1冊の書物にまとめる作業を行う予定である。具体的には、これらの諸論文を再読の上、加筆修正を施し、単著用の原稿に書き改める。 なお、上記の改稿作業に関連して、今年度報告者は、台湾日本語文学会が主催する国際学術シンポジウム「台湾における日本語文研究の持続可能性」(台湾・会場未定、2024年12月)で学会発表を行うべく、現在、発表の申し込みをしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は、大学の非常勤講師を新たに担当したので、その授業準備のために研究の時間が減り、予算の使用がやや滞ってしまった。2024年度も授業は受け持っているが、研究の時間を上手く作り、本研究課題の推進のために予算を使いたい。
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