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2023 年度 実績報告書

芳香族エステルの脱酸素型変換反応とアリール交換反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2891
配分区分基金
研究機関早稲田大学

研究代表者

黒澤 美樹  早稲田大学, 先進理工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード芳香族カルボニル化合物 / 脱酸素型反応 / 脱フッ素化反応 / phospha-Brook転位
研究実績の概要

芳香族カルボニル化合物は安価かつ容易に入手可能な化学フィードストックである。芳香族カルボニル化合物の変換反応は1,2-付加や還元、アミンとの縮合反応などの「求核アシル置換反応」が知られる。最近、第二の手法として遷移金属触媒を用いた「触媒的求核アシル置換反応」や「脱カルボニル型反応」が精力的に開発されている。これらの反応では、芳香族エステルのアシルC-O結合が遷移金属に酸化的付加したアシル金属種を与える。この中間体に着目し、求核剤との配位子交換、続く還元的脱離により得られるアシル化合物を触媒的かつワンポットで還元できれば、形式的に脱酸素カップリングした化合物が得られると考えた。そこで第三の変換反応になり得る「脱酸素型変換反応」の開発に取り組んだ。その結果、パラジウム触媒による芳香族エステルの脱酸素型C-P結合形成反応、ジアリールケトンの脱酸素型マルチアリールアルカン合成法を開発した。今年度は得られた知見を元に、ジアリールケトンの脱酸素型官能基化反応を開発した。具体的にはジアリールケトンに対し、塩基性条件下ジフェニルホスフィンオキシドと炭素求核剤としてジボリルメタンあるいはヘテロ求核剤を作用させることで、対応する置換ジアリールメタンが得られた。また、芳香族カルボン酸誘導体として高い求電子性を有するトリフルオロメチルケトンに着目した。トリフルオロメチルケトンとホスフィンオキシド、塩基としてDBUを反応させると、置換トリフルオロメタンが得られた。一方、塩基を炭酸カリウムに変更すると、トリフルオロメチルケトンからホスフィナートが生成するのではなく、フッ化物イオンの脱離が進行し、エノールホスフィナートを経由しジフルオロメチルケトンが得られることがわかった。さらに、用いるホスフィンオキシドの当量と反応温度を制御することでモノフルオロメチルケトン、メチルケトンを作り分けることに成功した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Deoxygenative Hetero- and Carbofunctionalizations of Diarylketones2024

    • 著者名/発表者名
      Sakihara Moriaki、Kurosawa Miki B.、Watanabe Mizuho、Shimoyama Shuhei、Yamaguchi Junichiro
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1021/acs.joc.4c00831

    • 査読あり
  • [学会発表] Deoxygenative and Defluorinative Functionalization of Aromatic ketones2024

    • 著者名/発表者名
      Kurosawa, M. B.; Sakihara, M.; Kato, K.; Muto, K.; Yamaguchi, J.
    • 学会等名
      19th Asian Chemical Congress
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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