この研究の目的は、実在する企業の人事データ・健康データを利用して、「同じ職場の社員の間で、特定のアウトカムにおけるピア効果がどれほど生じているか」を明らかにすることである。2024年度には、国内学会で1回、海外学会で1回研究成果を発表した。また、自身が発表する学会以外にも複数の研究会に参加し、多くの研究者や実務家からアドバイスをいただいた。アドバイスの内容を反映し、先行研究との比較を行うためにやや時間を要する見通しであるが、初年度に実施した「個人の属性」と「福利厚生カフェテリアプランの利用」との間の関係性の分析をもとに、2024年中にはディスカッションペーパーとして成果を発表する予定である。
また、本研究の過程で得た着想から派生した関連研究が共同研究として複数展開している。このうちの一つは、2024年4月にディスカッションペーパーとして公開した。この関連研究についても、企業内のピア効果の理解を深める上での貢献が見込まれる。研究から得られたインプリケーションをとりまとめ、さらなる研究の方向性についても検討を進めている。
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