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今年度は、様々な力発揮条件における筋線維の３次元形状を明らかにすることを目的とした。まず、MRI装置内で筋収縮を維持させている際の筋線維（筋束）の３次元形状を測定するため、これまでに使用してきたプロトコルの撮像時間の大幅な短縮を試みた。作成した撮像プロトコルを用いて、一般成年男女を対象に、異なる力発揮レベルの等尺性足関節底屈時における腓腹筋内側頭の筋線維の３次元形状を検討した。その結果、収縮時における各筋線維は矢状面だけでなく前額面においても筋全体の長軸に対して角度を有して斜めに走行していた。また、収縮時の力発揮レベルが高くなるほど、矢状面に加えて前額面においても筋線維の回転が生じることが明らかとなった。これらのことから、収縮中の筋線維は筋全体の長軸方向だけでなく幅方向にも張力を発揮し、付着部の腱組織である腱膜の変形や剛性の変調をもたらしている可能性が示された。本研究によって、従来の矢状面における観察では捉えられなかった筋線維動態の３次元的な実態が明らかとなり、骨格筋力伝達機構の新たな側面が示された。
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