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2023 年度 実績報告書

疲弊誘導シグナルを活性化シグナルに変換する犬キメラ抗原受容体発現T細胞療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2967
配分区分基金
研究機関麻布大学

研究代表者

吉本 翔  麻布大学, 麻布大学大学院 獣医学研究科 獣医学専攻, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードCAR-T細胞 / T細胞の疲弊 / 免疫チェックポイント / スイッチレセプター / 遺伝子改変 / イヌ
研究実績の概要

令和6年度は、PD-1受容体の細胞外ドメインと共刺激分子CD28のシグナルドメインをキメラ化したPD-1/CD28 スイッチレセプター(SR)が、イヌCAR-T細胞の治療効果に与える影響をin vivoで評価した。
NSGマウスにPD-L1を発現するがん細胞株を移植し、5日目に通常のCAR-T細胞、もしくはSR-CAR-T細胞を静脈内投与した。イヌCAR-T細胞の投与後、生物発光イメージングを用いて経時的にがんの存在を検出するともに、末梢血中のイヌCAR-T細胞の存在も検出した。当初の仮説では、SR-CAR-T細胞は通常のCAR-T細胞よりも治療効果が増強されると想定していたものの、本実験ではPD-1/CD28 SRによるイヌCAR-T細胞の抗腫瘍効果の増強作用は確認できず、末梢血中での検出についても両者で優位な差は確認されなかった。しかしながら、本実験では悪性度の高いがん細胞株を移植したマウスにおいて検討を行っており、いずれのCAR-T細胞も十分にがんを制御できなかったから、PD-1/CD28 SRの有用性を評価するためには、がん細胞株の選定を含めてin vivoの実験条件を洗練させる必要があると考えられた。
本研究全体を通し、イヌCAR-T細胞の機能抑制・疲弊の誘導にPD-L1が関連し、PD-1/CD28 SRがイヌCAR-T細胞の機能を増強することをin vitroで明らかにしており、獣医療におけるCAR-T細胞開発において重要な知見を明らかにした。また、in vivoの実験はさらなる条件検討が必要と考えられたものの、イヌCAR-T細胞の有効性をがん移植マウスで評価した研究は世界的にも未だ報告がなく、本実験で得られた知見は今後のイヌCAR-T細胞研究を進めていく上で重要なものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] ペンシルバニア大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ペンシルバニア大学
  • [雑誌論文] Development and pharmacokinetic assessment of a fully canine anti-PD-1 monoclonal antibody for comparative translational research in dogs with spontaneous tumors2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshimoto Sho、Chester Nicholas、Xiong Ailian、Radaelli Enrico、Wang Hong、Brillantes Marc、Gulendran Gayathri、Glassman Patrick、Siegel Don L.、Mason Nicola J.
    • 雑誌名

      mAbs

      巻: 15 ページ: 2287250

    • DOI

      10.1080/19420862.2023.2287250

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] A PD-1/CD28 chimeric switch receptor augments canine chimeric antigen receptor T cell function against PD-L1 expressing target cells2024

    • 著者名/発表者名
      Sho Yoshimoto, Antonia Rotolo, Kay Foos, Lauren Olnenick, Satoshi Takagi, Nicola J. Mason
    • 学会等名
      World Veterinary Cancer Congress 2024
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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