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2023 年度 実績報告書

ハイスループット・ハイコンテンツイメージングを用いたEBV関連腫瘍形成の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2977
配分区分基金
研究機関名古屋大学

研究代表者

杉本 温子  名古屋大学, 医学系研究科, 助教

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードEBV / ウイルス発がん / IMPDH2 / 核小体
研究実績の概要

これまでの研究において、初代培養B細胞にEBVを感染させると、核小体が肥大化することを発見している。核小体の肥大化は非ウイルス性のがん細胞においてよくみられる現象であり、IMPDH2という分子が関わっていることが知られている。EBV初感染細胞においてもIMPDH2の発現が上昇していることが確認され、核小体の肥大化が起こることがわかった。EBV感染細胞においてIMPDH2阻害剤を添加すると、EBVによる細胞の不死化は起こらず、核小体の肥大化も観察されなかった。これらのことから、これまで研究において、EBVの潜伏感染成立のためにはIMPDH2が核小体の肥大化を起こすことが必須であることが示唆された。本年度はこれらの発見を発展するべく、IMPDH2とウイルスの生活環に焦点を当てて研究を行った。EBV発がんには溶解感染状態の細胞の関与も示唆されていることから、溶解感染を解析することは重要である。そこで、本年度はまず溶解感染に焦点を当てて核小体の形態について観察を行った。電子顕微鏡での観察および蛍光免疫染色を用いた観察において、核小体が形態変化を起こしていることが示唆された。核小体は特にタンパク質新生に関わる細胞小器官である。核小体は膜に包まれておらず液液相分離によって形成されていると言われている。また、核内環境の変化によって構成するタンパク質が変化することも示唆されている。そこで、核小体タンパク質を用いて免疫沈降-質量分析を行い、溶解感染時に核小体に含まれるタンパク質を解析した。その結果、いくつかのウイルスタンパク質が同定された。また、予想通り潜伏感染状態の細胞と、溶解感染状態の細胞では核小体を構成するタンパク質群が変化することがわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Growth Transformation of B Cells by Epstein-Barr Virus Requires IMPDH2 Induction and Nucleolar Hypertrophy2023

    • 著者名/発表者名
      Sugimoto Atsuko、Watanabe Takahiro、Matsuoka Kazuhiro、Okuno Yusuke、Yanagi Yusuke、Narita Yohei、Mabuchi Seiyo、Nobusue Hiroyuki、Sugihara Eiji、Hirayama Masaya、Ide Tomihiko、Onouchi Takanori、Sato Yoshitaka、Kanda Teru、Saya Hideyuki、Iwatani Yasumasa、Kimura Hiroshi、Murata Takayuki
    • 雑誌名

      Microbiology Spectrum

      巻: 11 ページ: e0044023

    • DOI

      10.1128/spectrum.00440-23

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] IMPDH2の関わるEBVの生活環の解析2023

    • 著者名/発表者名
      杉本温子、渡辺崇広、柳裕介、佐藤好隆、奥野友介、木村宏、村田貴之
    • 学会等名
      第36回ヘルペスウイルス研究会
  • [学会発表] EBV感染細胞におけるIMPDH2発現の意義の解析2023

    • 著者名/発表者名
      杉本温子、渡辺崇広、柳裕介、松岡和宏、佐藤好隆、奥野友介、岩谷靖雅、木村宏、村田貴之
    • 学会等名
      第70回日本ウイルス学会学術集会
  • [備考] EBV 感染によって B 細胞が不死化する仕組みの一端を解明

    • URL

      https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2023/07/ebv-b-ebv.html

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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