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2021 年度 実績報告書

沖縄における「ハーフ」の社会史:二重の人種編成の社会的効果に関する分析

研究課題

研究課題/領域番号 20J01448
配分区分補助金
研究機関立命館大学

研究代表者

下地 ローレンス吉孝  立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(CPD)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2025-03-31
キーワードハーフ / ミックス / ミックスレイス / インターセクショナリティ / 社会学
研究実績の概要

本年度は大きくわけて、①沖縄での資料調査、②米国ハワイでの実地調査、③研究成果の社会的発信を実施した。
①沖縄では昨年の調査に引き続き、いわゆる「本土」とは異なり米軍基地の政治性が密接に関連する特殊な人種編成の中で、「ハーフ」「ミックス」と呼ばれる人々の経験に着目するため、沖縄の社会構造や歴史について資料収集をおこなった。今年度は特に沖縄における福祉の領域、女性運動などから見える混血児問題に着目して収集した。
②CPDの主要渡航期間として8月よりハワイ州での調査を開始した。コロナ感染拡大のなかで対人調査が制限される中、特にハワイ・オキナワセンターや州立図書館において資料収集をおこなった。ハワイ州におけるミックス・レイスはハワイ語で「Hapa」と呼ばれており、日系コミュニティと沖縄コミュニティの双方から特殊な経験をしている。今年は特に沖縄系コミュニティについて資料収集を行い、およそ100年に及ぶ沖縄内部の村人会・字人会の詳細なクラブ活動の実態を把握した。
③これまでの研究成果や得られた知見をもとに、イベントや学会誌、教育関連紙、ウェブサイトなどの媒体を通じて情報発信を実施した。書籍は、単著として『「ハーフ」ってなんだろう?―あなたと考えたいイメージと現実』(平凡社、2021年)、監訳として『インターセクショナリティ』(人文書院、2021年)が出版された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在、ハワイにおけるミックスレイスについてその生活史や社会史を研究調査資料から情報収集し、人種編成におけるかれらの特殊な経験について、特に日系人と沖縄系人との関係性の中から概観した。その上で、インタビューによる生活史の聞き取りを行う予定だったが、コロナウィルス感染拡大の影響で、中核的施設であるハワイ・オキナワセンターも長期休館となっており、機縁法による協力者の依頼を行うことが困難であったため、インタビューを実施することができなかった。

今後の研究の推進方策

今年度での調査分析結果を踏まえ、次年度も引き続きCPDの主要渡航期間における調査を実施する。
まずは、①ハワイにおける沖縄県系人に関する資料を収集する。日系コミュニティとは別の歴史的過程を経て形成された沖縄県系人コミュニティの実態を把握し、さらに細分化される村人会・町人会コミュニティの様相を捉える。②ハワイにおけるミックスレイス関連資料を収集する。特に人種の楽園と言われるハワイにおいても、人種的な軋轢や葛藤を経ながら、ミックスの人々がどのような経験をしているのか分析する。③University of Hawaiiを拠点としつつ、米国各地で資料調査や参与観察を実施する(カリフォルニア州、ネバダ州など西海岸を予定、長期出張として旅費を計上)。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 「ハーフ」ってなんだろう? あなたと考えたいイメージと現実2021

    • 著者名/発表者名
      下地 ローレンス吉孝
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      平凡社
    • ISBN
      9784582838664

URL: 

公開日: 2022-12-28   更新日: 2023-08-01  

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