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2022 年度 実績報告書

沖縄における「ハーフ」の社会史:二重の人種編成の社会的効果に関する分析

研究課題

研究課題/領域番号 20J01448
配分区分補助金
研究機関立命館大学

研究代表者

下地 ローレンス吉孝  立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(CPD)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2025-03-31
キーワードハーフ / ミックス / 混血児 / 人種 / レイシズム / ミックスレイス
研究実績の概要

本年度は、ミックスレイス・スタディーズの領域における先行研究の収集・分析を実施した。特にミックスレイスのマイクロアグレッションに関する量的・質的調査、人種差別の経験と社会構造に関する研究、およびミックスレイスのメンタルヘルス(喫煙や薬物使用、メンタルヘルスケアの状況など)に関する研究、ミックスレイスの一般的な大規模アンケート調査などから情報を収集・整理・分析した。これらの成果をもとに、日本における「ハーフ」「ミックス」の人々に対する初の全国規模の差別・メンタルヘルスにかんするアンケート調査票の作成を開始した。アンケートプロジェクトにおいて、弁護士、NPO関係者、他大学の博士研究者などと協力し調査検討会議を実施した。
また、これまでの研究成果をもとに、書籍『レミは生きている』『AIと白人至上主義』の解説を執筆した。前者では、戦後の「混血児救済運動」の旗手となった平野威馬雄についてその活動の歴史的意義を史資料から明らかにした。後者については、特に日本における白人至上主義の影響による日本人性の構築過程とAIを用いた軍事国家化について指摘した。また差別とテクノロジー研究会と協働し一般参加の読書会を実施した。
「ハーフ」に対する警察によるレイシャルプロファイリングの問題について調査・分析を進め、レイシャルプロファイリング研究会にて研究報告を行った。この報告内容については2023年度に出版予定の書籍の一章分となっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年度は、日本・米国・沖縄の人種編成の比較の土台となるアンケート調査にかかわる資料収集・調査票作成や、研究成果の社会的発信の面ではおおむね順調に進展することができた。しかし、海外での主要渡航期間において、物価高騰や円安なども影響し、新たな海外での研究生活環境を整えることにも時間を要し、特にインタビュー調査を予定通り実施することができなかった。2023年度はこの反省を踏まえ、インタビューや参与観察を実施していきたい。

今後の研究の推進方策

2023年度については全て主要渡航期間に該当する。
前半については、前年度に引き続き、ミックスレイス・スタディーズの重要な参考文献として特にメンタルヘルスやマイクロアグレッションに関する論文を収集し、日本におけるアンケート調査票を完成させ、全国規模のアンケート調査を実施する。実施した調査内容については、報告書と論文を作成し、国内外で成果報告を実施する。
後半については、拠点をカリフォルニア大学バークレー校に移し、特にミックスレイス運動の中心であったHapa Issue Forumの活動資料やミックスレイス・スタディーズの先行研究を収集・分析する。また、本校を拠点にインタビュー調査やミックスレイスの学生団体にアプローチし参与観察なども実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 「周縁化される声とケアー「ハーフ」・「ミックス」と呼ばれる人々」2022

    • 著者名/発表者名
      下地 ローレンス吉孝
    • 雑誌名

      『臨床心理学』

      巻: 22 ページ: -

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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