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2023 年度 実施状況報告書

東南アジアにおけるイスラーム的贈与の統合と発展:その理論的背景と実践の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ3012
配分区分基金
研究機関立命館大学

研究代表者

足立 真理  立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワード地域研究 / 現代イスラーム経済論 / インドネシア / ザカート制度化 / 東南アジア
研究実績の概要

本研究は、ザカートを含めたイスラーム的贈与がインドネシアやマレーシアにおいてどのように独自に統合、発展してきたのかという過程を描き出すことで、東南アジアで独自に再構築されてきたイスラーム的贈与の軌跡を具体的に明らかにするものである。今年度は育児により本研究課題遂行に重要なフィールドワークを実施することができなかったものの、以下の点について研究を推進した。
(1)twitter(現X)のビッグデータを使用した分析:昨今のデジタル社会において、宗教的行為もサイバー空間で活発に行われている。本研究の主眼であるザカートも例外ではなく、オンラインでの喜捨が増加していることが確認された。具体的には断食月におけるザカートに関するツイート数の急増や、個人の支払いを誇示する行為(リヤー)に関してほとんどツイッター空間では行われていないことなどが実証できた。
(2)研究成果発表:研究成果の発表としては、喜捨のオンライン化について国際セミナーでの発表を1回行った。これまでの経過を総じて、東南アジア学会で発表したことや、日本語での書籍の分担執筆できたことも、ザカートの制度化とオンライン化について執筆・公開できたのは大きな成果であった。
(3)イスラーム的贈与の統合発展経路の歴史資料検討:インドネシアにおいて1973年から義務の喜捨ザカートと任意の喜捨サダカ、インファークが統合したことを、ザカート管理団体の名称変更から推察した。今後は、さらなる歴史的資料の検討により検証を重ねたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度も育児のため、本研究課題遂行に重要なフィールドワークを実施することができなかった。よってイスラーム的贈与の統合時期に関して情報を集めてきたものの、必要な一次資料がまだ収集できていない。一方、オンラインデータベースを使用した研究は推進できたので、まずまずの進捗と言える。

今後の研究の推進方策

インドネシアにおいて、いかにザカートが制度化され、イスラーム的贈与として統合してきたのかに焦点を当ててきた。引き続きフィールドには行けなさそうなので、ビッグデータを使用した新たな視座からの研究を進めたい。

次年度使用額が生じた理由

産休育休を三カ月取得したため。次年度の使用計画としては、主に物品と書籍の購入、英文校閲費用、国内出張費などで計上する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] A Study of Riya and Taqwa in Cyberspace Posts: An Analysis of Twitter(X) Big Data Regarding Zakat in Indonesia2024

    • 著者名/発表者名
      ADACHI Mari
    • 学会等名
      5th International Colloquium on Asian Paths of Civilization and Development

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公開日: 2024-12-25  

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