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2023 年度 実施状況報告書

発光性有機ラジカルのキラル集積構造と光磁気相関

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ3097
配分区分基金
研究機関大阪大学

研究代表者

水野 麻人  大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワードラジカル / キラリティ / 発光 / 磁性 / 集積構造
研究実績の概要

発光性ラジカルは、その開殻電子構造に由来する特異な光物性を示すことから近年注目を集めている。特に、発光性ラジカルの集積状態では、excimer-likeな発光や発光の磁場効果(マグネトルミネッセンス)などの興味深い現象が見出され、それらの詳細なメカニズムが明らかになってきた。一方、発光性ラジカルにおいて、そのキラリティ及びスピンと発光特性が相関する物性はほとんど開拓・解明されてこなかった。その一つの要因は、対象物質となるエナンチオピュアな発光性ラジカルのバラエティが限定的であったことにあると考えられる。本研究では、発光性有機ラジカルをキラル集積化し、分子集積構造-円偏光発光相関や発光の磁場依存性の解明を目指している。前年度には、エナンチオピュアな発光性ラジカルの候補として、光学分割可能なアザ[7]ヘリセン骨格を有するラジカル前駆体の構築を確認したが、その合成収率の低さからラジカル化までは至っていない。一方、本年度は多様な発光性ラジカル錯体における構造-円偏光発光相関の開拓・解明を可能とするため、配位部位を有するキラルな発光性ラジカルの開拓に取り組んだ。その結果、配位部位を有するキラルな発光性ラジカル前駆体の構築に成功している。この前駆体をラジカル化したキラルな発光性ラジカル配位子を土台として、多様な発光性キラルラジカル錯体を合成することで、本研究で目的とするキラル集積化及び構造-発光相関の開拓・解明を行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

配位部位を有するキラルな発光性ラジカルの前駆体の構築に成功したが、その前駆体合成に時間を要した。

今後の研究の推進方策

現在得られている発光性ラジカル前駆体のラジカル化を行う。この配位性キラルラジカルを用いた錯体構築を行い、それらの円偏光発光特性や磁場下での発光特性の開拓を進める。

次年度使用額が生じた理由

当該研究の物質開発が当初の計画よりも遅れ、キラルカラムの選定が困難であったことから、その導入及び関連装置の整備を見送り、次年度使用額が生じた。次年度使用額については、キラルカラムの導入及びHPLCなどの装置整備のための物品費として支出する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Luminescent Radicals2024

    • 著者名/発表者名
      Mizuno Asato、Matsuoka Ryota、Mibu Takuto、Kusamoto Tetsuro
    • 雑誌名

      Chemical Reviews

      巻: 124 ページ: 1034~1121

    • DOI

      10.1021/acs.chemrev.3c00613

    • 査読あり
  • [学会発表] カルバゾール含有発光性ジラジカルにおける単分子マグネトルミネッセンスの観測2023

    • 著者名/発表者名
      水野麻人、松岡亮太、木村尚次郎、草本哲郎
    • 学会等名
      2023年光化学討論会

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公開日: 2024-12-25  

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