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2022 年度 実績報告書

空間内挿を利用した広域遺伝的多様性推定手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22J00445
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人国立環境研究所
特別研究員 青木 聡志  国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 特別研究員(PD)
研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2025-03-31
キーワード遺伝的多様性 / アリル頻度 / 塩基多様度 / Watterson’s theta
研究実績の概要

新規遺伝的多様度指標に関する論文の査読対応を終えて出版した。査読コメントに応じて追加の低い移住率や遺伝的指標(ヘテロ接合度・Watterson’s theta)についてもシミュレーションと算出を行った。ごく低い移住率と移住の少ない分集団構造を組み合わせた場合において、新規多様度は塩基多様度より数%ほど推定値の標準偏差が大きくなった。しかし、低移住率と移住の少ない分集団構造下では種分化が促進されるため、単一分類群を対象に新規多様度を適用する限りこれは大きな問題にならないだろうと推測された。ヘテロ接合度は塩基多様度や新指標と同程度の推定精度を与えた一方で、Watterson’s thetaは推定の偏りが平均で31%と大きく、今回の実験の設定下では実用的でないと考えられた。また、査読対応中の考察の中で、新指標と塩基多様度の数値の大小を比較することで系統的に遠縁なアリルが近縁なアリルより頻度が高いか否かを判断できることを発見した。分集団が分断せず、集団サイズが安定ないし増加していれば多くの場合、近縁なアリルの方が多く、塩基多様度>新指標となる。逆に新指標>塩基多様度の場合は、分集団の分断や集団サイズの縮小が推測される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り2年目までに新規遺伝的多様性に関する研究および未観測アリルに関する研究を終えることができたため。

今後の研究の推進方策

アリル頻度の空間内挿を行う基本的なプログラムは既に完成しているため、今後は様々なデータセットを使ってプログラムの検証を行い、必要なデバッグや改良を加えたのちRパッケージとしてプログラムをとりまとめて公開し、論文化を進める予定である

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Robustness of genetic diversity measures under spatial sampling and a new frequency-independent measure2023

    • 著者名/発表者名
      Aoki Satoshi, Ishihama Fumiko, Fukasawa Keita
    • 雑誌名

      PeerJ

      巻: 11 ページ: e16027

    • DOI

      10.7717/peerj.16027

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Estimating genetic diversity of a taxon: Simulation test under spatial sampling分類群の遺伝的多様性推定:空間抽出下でのシミュレーション検証2023

    • 著者名/発表者名
      青木聡志・石濱史子・深澤圭太
    • 学会等名
      日本進化学会第25回沖縄大会
  • [学会発表] 分類群の遺伝的多様性推定:空間抽出下でのシミュレーション検証2023

    • 著者名/発表者名
      青木聡志
    • 学会等名
      研究会「数学を用いる生物学:理念・概念と実践・方法論」

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公開日: 2024-12-25  

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