研究実績の概要 |
琵琶湖北湖の4水深(5, 水温躍層, 60, 85 m)において、毎月採水を実施した。分析項目は細菌生産量、細菌群集およびウイルス群集である。孔径1.2 umのフィルターを通過する細菌を浮遊細菌、捕集される細菌を付着細菌と定義した。採水した試料に15N-dAを添加し、その取り込み量から細菌生産量を推定した。このとき未ろ過試料と孔径1.2マイクロメートルのフィルターでろ過した試料を用意することで、浮遊細菌および付着細菌の細菌生産量を推定する。これらの細菌 細菌群集解析も細菌生産量の推定と同様に浮遊細菌と付着細菌を定義し、それぞれの画分の細菌細胞を濃縮し、DNA抽出まで行った。ウイルス群集解析については、孔径1.2マイクロメートルのフィルターでろ過した試料中に含まれるウイルスを対象として、鉄共沈法および塩化セシウム超遠心密度勾配法を用いて濃縮・精製した。ウイルス群集解析についてもDNA抽出まで完了した。 Sphingomonadaceae科(Alphaproteobacteria)の細菌を3種単離した。またこれに感染するウイルスも2種単離することが出来た。 これらのウイルスには感染中に宿主の代謝を促進させる遺伝子がコードされていた。 溶菌由来有機物の調製:大腸菌および大腸菌ファージをモデルとして、ウイルスによる溶菌由来有機物の調製を試みた。大腸菌の培養では、培地由来の有機物を極力除去するために、無機塩培地を用いた。有機基質としてグルコースを採用した。また大腸菌バイオマスを得るための培養条件を初期グルコース濃度や温度、 培養時間などを変えて検討した。
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